オランダの学校では、2024年から教室の中でスマホを使わないことが全国的な取り決めになっています。2026年10月5日、政府はこの線をもう一歩進め、休み時間も含めて校内でスマホを使わせないことを全校に広げたいと表明しました。目標は2027年1月1日です。
ただし、この話には大事な前提があります。オランダ政府には、学校に「スマホを禁止せよ」と命じる権限がありません。教育の自由が強い国なので、今回も教育省が学校の団体と合意をつくる形で進めます。報道の見出しだけを読むと「来年1月から禁止が決まった」と受け取りやすいのですが、2026年10月24日の時点では提案の段階です。
この記事では、DutchNews の記事を起点に、決まっていることと提案段階のことを分けて整理します。あわせて、同じ発表に含まれた家族vlogの規制、政府のスクリーンタイムの目安、学校の休み時間の実態、現地校・インターナショナルスクール・日本人学校での違い、家庭でのルール作りまで、オランダで子育てをする日本人家庭が判断に使える形でまとめます。
この記事が主に根拠にした情報
- DutchNews「Cabinet wants phones out of schools from January」(2026年10月5日)
- Rijksoverheid「Kabinet presenteert strategie om kinderen online te beschermen」(2026年10月5日)
- Rijksoverheid「Duidelijk advies voor ouders: wacht met sociale media tot 15 jaar」(2025年6月16日)
- Rijksoverheid「Hogere boetes en strengere regels voor vlogfamilies met meer dan 50.000 volgers」(2025年12月18日)
- VO-raad「Vrijwel alle vo-scholen volgen landelijke afspraak over smartphonegebruik in de klas」(2025年7月7日)
| この記事で分かること | 答えの要点 |
|---|---|
| 何が決まっていて、何が提案か | 教室内の禁止は実施中。休み時間を含む全面禁止は提案(第1〜2章) |
| 休み時間はいまどうなっているか | 学校ごとに違う。中等の57%はすでに「家かロッカー」(第4章) |
| 政府の年齢別の目安 | 2歳未満は画面なし、12歳以上は1日3時間まで、SNSは15歳から(第6章) |
| 家族vlogの規制 | フォロワー5万人以上の収益アカウントが対象。家族内の共有は対象外(第8章) |
| 学校の種類による違い | 助成を受けるインターは対象、私立インターと日本人学校は自校方針(第9章) |
| 家庭で何をするか | 学校の規則を読み、約束カードで親子のルールを書く(第11章) |
1. いま何が起きているか(2026年10月の提案)
まず、2023年からの動きを日付順に並べます。教室内の禁止は段階的に始まり、2026年10月に「校内全体」へ広げる案が出た、という流れです。
10月5日の「子どもの権利のオンライン戦略」
2026年10月5日、デジタル経済・主権担当の国務長官(staatssecretaris、大臣を補佐する閣僚)Willemijn Aerdts が、子どもをオンラインの危険から守るための戦略書簡(Strategiebrief online kinderrechten)を下院に送りました(Rijksoverheid、2026年10月5日)。学校のスマホはその柱の1つで、ほかにSNSの最低年齢、デジタルサービスの安全基準、保護者への支援が含まれています。
DutchNews は、この戦略に家族vlogの規制強化とスクロール時間の抑制も含まれると報じています(DutchNews、2026年10月5日)。政府はあわせて、Netflix、YouTube、Roblox、Fortnite、ChatGPT、Instagram、Snapchat、TikTok が子どもに与える影響を、子どもの権利影響評価(Kinderrechten Impact Assessment)で調べるとしています。
「Thuis of in de kluis」とは何か
Thuis of in de kluis(トゥイス・オフ・イン・デ・クライス、「家に置くか、ロッカーにしまうか」)は、登校したらスマホを鍵つきのロッカーに入れるか、そもそも家に置いてくる方式です。授業中だけでなく、休み時間や昼休みも使いません。
政府の発表によると、すでに多くの学校が休み時間も含めて禁止しており、初期の結果は良好だとしています。政府はこれをすべての学校に広げたい考えで、教育担当の国務長官が教育界と取り決めをつくります(Rijksoverheid、2026年10月5日)。IamExpat は、正確なルールと例外はまだ教育界と交渉中だと伝えています(IamExpat、2026年10月)。
なぜ政府は「命令」できないのか
オランダでは、学校の運営は学校法人(schoolbestuur)に任されています。2024年の教室内禁止も、法律ではなく、政府と教育団体の全国的な取り決め(landelijke afspraak、ランデレイケ・アフスプラーク)として始まりました。DutchNews も今回の記事で、政府には学校に実施を命じる権限がなく、教育省が学校と合意をつくると明記しています。
そのため、2027年1月以降も、細かい運用(ロッカーの有無、昼休みの扱い、違反したときの対応)は学校ごとに残ると考えるのが自然です。
2. 決まっていること・提案段階のこと
同じ「スマホ禁止」という言葉でも、実施中のもの、法案準備中のもの、提案や助言にとどまるものが混ざっています。家庭で判断を誤らないよう、状態ごとに分けます。
次の表は、2026年10月24日時点での主な施策の状態です。
| 施策 | 状態 | 拘束力 |
|---|---|---|
| 授業中のスマホ使用禁止 | 実施中(2024年〜) | 全国的な取り決め+学校規則 |
| 休み時間を含む校内全面禁止 | 提案(2027年1月目標) | 教育界との合意待ち |
| 年齢別のスクリーンタイムの目安 | 公表済み(2025年6月) | 保護者向けの助言 |
| 家族vlogの許可制 | 法改正の準備中 | 施行日未定 |
| SNSの最低年齢15歳 | EUで提案・交渉中 | 国内法にはしない方針 |
表から分かるとおり、家庭の日常にいま法的・規則上の効力を持つのは、教室内の禁止と、各学校が独自に定めた規則だけです。ほかは方向性として押さえておき、実際の運用は学校の通知で確かめるのが確実です。
「決まった」と書かれやすい理由
英語の見出しでは「Cabinet wants」「to ban」のように、意向と決定の区別がつきにくい表現が使われます。NL Times は「Dutch government to completely ban smartphones from schools」と報じましたが、本文では教育界と取り決めをつくる段階だと説明しています(NL Times、2026年10月5日)。見出しだけで判断しないことが大切です。
教育界の受け止め
中等教育の学校団体 VO-raad(フォー・オー・ラート)は、政府の幅広い取り組みは支持しつつ、スマホについては現行の全国的な取り決めで十分で、すべての学校に「家かロッカー」を義務づけるより、いまの取り決めを一貫して運用すべきだという立場です(VO-raad、2026年10月6日)。合意の中身は、この立場との調整になります。
3. 2024年からの教室内禁止のしくみ
全面禁止の議論を理解するには、まず現行ルールの範囲を押さえる必要があります。現行ルールは「授業中」に限られ、休み時間は学校の判断に任されています。
政府の説明では、対象は携帯電話・タブレット・スマートウォッチで、禁止されるのは授業中の教育目的以外の使用です(Rijksoverheid「Mobiele apparaten in de klas」)。
| 学校の段階 | 開始時期 | 対象の時間 | 主な例外 |
|---|---|---|---|
| 中等教育(voortgezet onderwijs) | 2024年1月1日 | 授業中 | 授業で使う、医療上の必要 |
| 初等教育(basisonderwijs) | 2024-25学年度 | 授業中 | 同上 |
| 特別支援教育(speciaal onderwijs) | 2024-25学年度 | 授業中 | 使う場面が多く、個別の取り決め |
基本の考え方は「nee, tenzij(ネー・テンゼイ、原則だめ、ただし例外あり)」です。授業で使う、医療上必要、障害のために必要といった場合は認められます(Rijksoverheid、2023年11月7日)。
例外が認められる子ども
DutchReview は、糖尿病で血糖値をスマホで確認する生徒を例外の例に挙げています(DutchReview、2023年7月5日)。持病で連絡手段が必要な子や、通訳アプリを授業で使う必要がある子なども、学校と個別に相談する対象です。例外は自動では認められないため、入学時や転入時に学校へ伝えるのが基本です。
学校ごとの規則はどうつくられるか
ルールの細部は学校ごとに決まります。教育ICTの公的機関 Kennisnet(ケニスネット)は、学校が規則をつくるための6段階の手順を示しています(Kennisnet)。
| 段階 | 学校がすること | 保護者が関われる場面 |
|---|---|---|
| 1. 作業班 | 校内でチームをつくる | なし |
| 2. 現状分析 | いまの規則と実態を確認 | アンケート |
| 3. 意見聴取 | 教員・生徒・保護者と話す | 保護者会、MR |
| 4. 方針の決定 | 例外・罰則・ロッカーを決める | MRの同意 |
| 5. 周知 | 学校ガイドに載せる | 通知を読む |
| 6. 評価 | 定期的に見直す | アンケート |
表の「MR」は medezeggenschapsraad(メーデゼッハップスラート、学校参加協議会)で、保護者・教職員・生徒の代表が入ります。Kennisnet によると、方針の変更にはMRの同意が必要で、決まった規則と罰則は生徒規約(leerlingenstatuut)に入れます。保護者が意見を言える正式な窓口がある、という点は覚えておくと役に立ちます。
4. 学校の休み時間の実態
今回の提案の焦点は「休み時間」です。現行ルールでは休み時間の扱いは学校に任されているため、すでに全面禁止の学校と、休み時間は自由な学校が並んでいます。
数字で見る広がり
中等教育の校長を対象にした政府委託の評価(Kohnstamm Instituut と Oberon が実施、2025年7月3日に下院へ報告)では、99%の学校が取り決めに沿った方針を持ち、そのうち57%強がすでに「家かロッカー」方式でした(VO-raad、2025年7月7日)。
保護者側の調査もあります。保護者団体 Ouders & Onderwijs の年次調査では、子どもの学校が校舎全体でスマホを禁止していると答えた保護者は48%で、3年前の12%から大きく増えました。教室内禁止への賛成は87%、校舎全体の禁止への賛成は70%でした(NL Times、2026年4月14日)。
図のとおり、保護者の支持は厚い一方、子どもの支持は低いのが特徴です。同じ調査で、教室内禁止に前向きな子どもは52%、全面禁止に賛成する子どもは31%にとどまりました。反対する保護者の理由としては、時間割の変更を見落とす、すぐに子どもと連絡が取れない、という懸念が挙がっています。
初等教育の休み時間
初等教育(basisschool、バシススクール)では、そもそもスマホを持って来る子が少なく、教室内での使用は大きな問題になっていないと評価されています(NJi、2024年7月17日)。Expatica によると、初等教育では1日に少なくとも45分の休み時間があり、昼食は家に帰るか学校に残るかを選べる学校が多く、学校に残る場合は外部の見守り役がつき、保護者が overblijfgeld(オーフェルブレイフヘルト、昼休みの見守り費)を払うことがあります(Expatica)。
昼休みの見守りは学校の外部委託であることも多く、スマホのルールが見守り役まで共有されているかは学校によって差が出やすいところです。
中等教育の休み時間
中等教育は全国に約1,600校あり、2025年6月の時点では半数近くの学校がまだ休み時間の使用を認めていたと報じられています(NL Times、2025年6月10日)。下院では当時、D66 の議員が「家かロッカー」をすべての中等学校に広げる提案を示し、複数の政党が賛成の意向を示していました。
近隣の例では、ウェストラント(Westland)の中等学校 ISW Sweelincklaan が2024年6月から、スマホを家に置くかロッカーに入れる方式で校地全体の使用を禁止しています(Rodi、2024年6月)。
5. 効果はどう測られているか
全面禁止を広げる根拠として、政府は「初期の結果が良好」と説明しています。ここでは、効果について公的な調査が何を言っていて、何をまだ言えていないかを分けます。
| 調査 | 主な結果 | 言えていないこと |
|---|---|---|
| 政府委託の評価(2025年7月) | 中等の99%が方針あり。集中・学級の雰囲気に好影響の報告 | 学力への効果は時期尚早 |
| 同・初等教育 | 89%が方針あり。多くの学校で集中への効果は見られず | もともと持ち込みが少ない |
| 教育監督局「教育の現状2026」 | 全面禁止の学校でいじめ・SNS関連の問題が少ない | 因果関係は示していない |
| HBSC 2025(中等の生徒6,600人超) | 41%が「スマホで宿題や勉強が削られる」 | 学校規則との関係は別 |
初等教育の数字は、政府委託評価の報告書を伝えた資料の抜粋に基づくもので(Kohnstamm Instituut・Oberon の報告、officielebekendmakingen.nl)、細かな割合は報告書本文で確認するのが確実です。
教育監督局の報告
教育監督局(Inspectie van het Onderwijs)が2026年4月15日に公表した「De staat van het onderwijs 2026(教育の現状)」について、DutchNews は、学校で報告された身体的・心理的な暴力が2024年比で25%増え、暴力行為による停学は6,248人だったと伝えています。主任監督官は、SNSに絡む生徒どうしの争いは教員から見えにくいと述べ、15歳未満のSNS禁止を求めました。また、約3分の2の学校がスマホを禁止しており、全面禁止の学校ではいじめやSNS関連の問題が少なかったとしています(DutchNews、2026年4月16日、報告書はInspectie van het Onderwijs)。
子どもの心の健康の統計
4年ごとの国際調査 HBSC の2025年版では、中等教育の生徒の4分の1強が情緒的な幸福度が低く、女子では37%、男子では16%でした。生徒の約3分の1は、ほぼ一日中SNSで誰かとつながっていると答えています(VO-raad、2026年9月21日)。政府は2025年のガイドライン公表時、若者のほぼ13%が問題のあるSNS利用のリスクを抱えているとしています。
こうした数字は、学校のスマホ規制だけで解決するものではありません。学校の外、つまり家庭での使い方が同じくらい大きいことを示しています。
6. スクリーンタイムの政府ガイドライン(年齢別の目安)
家庭のルール作りでいちばん使えるのが、2025年6月に政府が公表した「Richtlijnen gezond en verantwoord scherm- en sociale mediagebruik(健康で責任ある画面・SNS利用のガイドライン)」です。0〜16歳の子どもを育てるすべての養育者に向けた助言で、法律ではありません(Rijksoverheid、2025年6月16日)。
図の内容を表にすると、次のようになります。
| 項目 | 政府の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 画面全般(2歳未満) | 使わない | 動画通話も含めて控えめに |
| 画面全般(12歳以上) | 1日3時間まで | 学校の課題を除く家庭での目安として使う |
| 最初のスマホ | グループ8から | 教育上などの理由で早めるのは家庭の判断 |
| チャットアプリ | 中等教育から | WhatsApp、Signal など |
| SNS | 15歳から | Instagram、TikTok など。チャットを経て段階的に |
ガイドラインは、時間の上限だけでなく、年齢に合っていること、一緒に使うこと、ほかの活動との釣り合いを重視しています。2〜11歳には時間の数字がないため、この年代は「何を、誰と、いつ使うか」で家庭のルールをつくることになります。
2歳未満の「画面なし」と日本の家族のビデオ通話
日本の祖父母とのビデオ通話をどう考えるかは、多くの家庭が気にするところです。ガイドラインは2歳未満の画面利用を勧めていませんが、これは法律ではなく助言です。短い時間、親が一緒に画面の前にいて、相手と言葉を交わす使い方は、動画を一人で見続ける使い方とは性質が違います。時差のある日本との通話を週に何回、何分ほど、と家族で決めておくと、目安との釣り合いが取りやすくなります。
7. SNSの最低年齢とEUの動き
学校のスマホと並んで話題になるのが、SNSの最低年齢です。こちらはオランダ一国ではなく、EU単位で決める方向で進んでいます。
| 主体 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| オランダ政府 | ガイドラインで15歳を推奨 | 2025年6月公表(助言) |
| D66・VVD・CDA連立 | EUで強制力のある15歳の最低年齢を推進 | 連立合意 |
| オランダ・スペイン | 例外の少ないEU最低年齢を共同提案 | 2026年10月 |
| 欧州委員会 | 未成年保護ガイドライン(DSA) | 2025年7月14日公表 |
| 欧州委員会 | EU KIDS Act を提案 | 政府が10月末に詳しい見解を出す予定 |
欧州委員会が2025年7月14日に公表したデジタルサービス法(DSA)の未成年保護ガイドラインは、未成年のアカウントを初期設定で非公開にすること、連続記録(ストリーク)・自動再生・プッシュ通知など使いすぎを促す機能を初期設定で切ることなどを求めています(European Commission、2025年7月14日)。
オランダ政府は、最低年齢を国内法ではなくEUの水準で定めたいとしています。DutchNews によると、フランスで15歳未満のSNS利用を禁じる法律が成立したものの、憲法院がいまの形では違憲と判断し、政府が書き直しているとのことです(DutchNews、2026年8月25日)。年齢確認の方法をどうするかは、技術・法律・運用の面で課題が大きいと伝えられています。
家庭にとっての実務的な意味は、当面は法律ではなく、家庭のルールとアプリの年齢設定でSNSの開始時期を決めるということです。IamExpat も、オランダ政府の公式の助言として15歳を紹介しています(IamExpat)。
自治体が先に動いた例
アーネム(Arnhem)では2026年5月、市内のすべての学校法人、保育団体、市などが共同で、スマホはできるだけ遅く、SNSは16歳からにするよう保護者に呼びかけました。市単位でこれだけの団体がそろって呼びかけたのは初めてだと報じられています(NL Times、2026年5月14日)。同じ記事では、保護者・教員にも校内でのスマホ使用を控えてもらうモンテッソーリ小学校の例も紹介されています。
8. 家族vlogの規制
今回の戦略には、家族vlogの規制強化も含まれます。これは学校のスマホとは別の法律、労働時間法(Arbeidstijdenwet)の改正として準備されています。
もともとオランダでは、明らかに商業目的のオンライン動画に子どもが出る場合、許可(ontheffing、オントヘフィング)を申請する決まりがありました。ただ、趣味と仕事の境目があいまいで、労働監督局(Arbeidsinspectie)にとって取り締まりが難しいと指摘されていました(Rijksoverheid、2025年5月21日)。
2025年12月18日に政府が示した案では、次のようになります(Rijksoverheid、2025年12月18日)。
| 項目 | 案の内容 |
|---|---|
| 対象のアカウント | フォロワー・登録者5万人以上 |
| 13歳未満 | 親か後見人が労働監督局に許可を申請 |
| 13〜15歳 | 許可は不要。法定の労働・休息時間を守る |
| 許可の条件 | 悪影響がなく、休む・学ぶ・運動する時間が十分あること |
| 罰金 | 現在€1,000〜€2,000で、実際は4分の1の支払い。この減額をやめる |
| 状態 | 法案を意見公募に出す段階。施行日は未定 |
政府の事業者向け窓口も、施行日はまだ決まっていないと案内しています(Ondernemersplein)。なお IamExpat は、今回の戦略について「16歳未満が出る、または作る商業的なコンテンツを児童労働とみなして禁止する」と報じていますが(IamExpat、2026年10月)、政府の発表文ではこの年齢と範囲を確認できませんでした。最終的な線引きは法案の公表を待つ必要があります。
日本の祖父母とのビデオ通話・写真共有は対象か
結論から言うと、家族内のビデオ通話や、LINE・非公開アルバムでの写真共有は、この規制の対象ではありません。規制の対象は、5万人以上のフォロワーがいて収益を得ている商業的なアカウントです。日本の祖父母に毎週動画を送る、家族だけの共有アルバムに運動会の写真を入れる、といった使い方は関係しません。
注意したいのは、規制の外にある「公開」の部分です。子どもの写真を公開アカウントに載せる場合は、規模が小さくても、子どもが大きくなったときにどう感じるか、という観点で考える価値があります。
学校の写真と他の子どものプライバシー
学校行事の写真には、他の家庭の子どもも写ります。オランダの個人情報保護当局(Autoriteit Persoonsgegevens)は、学校が識別できる生徒の写真や動画を公開するには同意が必要で、16歳未満は保護者が同意すると説明しています(Autoriteit Persoonsgegevens)。
これは学校に向けたルールですが、家庭でも考え方は同じです。日本の家族に送る写真は、他の子の顔が写っていないものを選ぶか、家族だけで見る場所にとどめると、トラブルを避けやすくなります。入学時に学校から届く写真掲載の同意書(toestemmingsformulier)も、内容を読んで選びましょう。
9. 現地校・インターナショナルスクール・日本人学校での違い
オランダに住む日本人家庭の子どもは、現地校、インターナショナルスクール、日本人学校のいずれかに通い、土曜日に補習授業校(補習校)を併用することも多いはずです。学校の種類によって、全国的な取り決めが及ぶかどうかが変わります。
ACCESS によると、政府の助成を受けるインターナショナルスクール(オランダの学校の英語の国際部門)は教育省の規則に従います。一方、私立のインターナショナルスクールや、フランス・ドイツ・日本などの学校は自国のカリキュラムで運営され、オランダの教育監督局の品質検査の対象外です(ACCESS)。
| 学校の種類 | 全国的な取り決め | 規則の確認先 |
|---|---|---|
| 現地校(初等・中等) | 対象 | schoolgids(学校ガイド) |
| 政府助成のインター | 対象 | 学校ガイド・ハンドブック |
| 私立のインター | 対象外(自校方針) | 生徒ハンドブック |
| 日本人学校 | 対象外(自校方針) | 学校の案内・通知 |
| 補習授業校 | 対象外(土曜のみ) | 学校の連絡・規則 |
The Hague International Centre は、デン・ハーグ地域が国内でいちばん多くのインターナショナルスクールを抱え、International School of The Hague、HSV、European School などが政府の助成を受けていると紹介しています(The Hague International Centre)。Xpat.nl も、助成を受ける学校は入学できる家庭の条件が決まっていると説明しています(Xpat.nl)。
私立インターと日本人学校の実際
「対象外」は「スマホが自由」という意味ではありません。たとえば International School Eindhoven は、政府の勧告を受けて、中等部で授業時間帯を通して休み時間や昼食時も含めてスマホを使わない方針を公開しています(ISE)。日本人学校は日本の学習指導要領に沿った教育を行う学校で(ロッテルダム日本人学校)、持ち込みの扱いは日本の考え方に近い運用になっていることが多いと考えられます。具体的には在籍校の案内で確認してください。
補習校がある週末の扱い
補習校に通う家庭では、平日の学校と土曜の補習校でルールが違うことがあります。たとえば、平日の現地校は「家かロッカー」なのに、土曜は送迎の連絡のためにスマホを持たせる、といった具合です。子どもにとっては「どこでは使ってよく、どこではだめか」が分かりにくくなるため、家庭で一覧にしておくと混乱が減ります。
学校の種類による違いを流れで見る
学校の種類が違っても、家庭がすることの順番は同じです。次の図は、家庭でルールを決めるまでの4つの段階を示しています。
10. 日本の学校のスマホ方針と比べる
日本で育った保護者にとって、オランダの議論は「逆向き」に見えるかもしれません。日本はもともと小中学校への持ち込みを原則禁止としてきた一方、オランダは持ち込みを前提に、使う場面を絞ってきたからです。
文部科学省は2009年1月30日の通知で、小・中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止とし、緊急連絡などやむを得ない場合は保護者の申請で例外的に認め、その場合も校内での使用禁止や一時預かりを求めました。高校は授業中の使用禁止など、校内での使用制限を求めています(文部科学省、2009年1月30日通知)。
その後、2020年7月の通知で、中学校については学校・生徒・保護者の間で一定の条件に合意した場合に持ち込みを認める考え方が示され、各地の教育委員会がこれに沿った運用をしています(奈良県教育委員会の資料)。条件には、生徒が自らを律するルールを学校と家庭でつくること、紛失時の責任の所在を明確にすること、フィルタリングを保護者の責任で設定することなどが含まれます。
| 比較の観点 | 日本 | オランダ |
|---|---|---|
| 出発点 | 小中は持ち込み原則禁止 | 持ち込み前提で授業中は禁止 |
| 根拠の形 | 文部科学省の通知 | 政府と教育界の全国的な取り決め |
| 中学校の持ち込み | 条件つきで容認(2020年〜) | 認めたうえで使う場面を制限 |
| 休み時間 | 持ち込み自体が少なく議論は小さい | 2027年1月から全面禁止を提案 |
| 学校の端末 | 1人1台の学習端末が普及 | 学校ごとにノートPCなどを使用 |
| 家庭への期待 | ルール作りとフィルタリング | 約束カードと年齢の目安 |
表から見えるのは、どちらの国も最終的には「学校と家庭で決める」形に落ち着いていることです。オランダは今回、学校の側で決める範囲を休み時間まで広げようとしており、日本は持ち込みを認める範囲を条件つきで広げてきました。方向は逆でも、家庭に「自分たちのルールを決めること」を求めている点は共通しています。
日本では学校の学習用端末の整備も進んでおり(文部科学省「学校のICT環境の整備」)、一時帰国中の体験入学で学校のタブレットを使う、という場面もあります。日本では「私物のスマホ」と「学校の端末」の線引きがはっきりしているため、オランダの学校で私物を使う授業があると、子どもが戸惑うことがあります。
一時帰国と体験入学
夏の一時帰国で日本の小学校に体験入学する場合、多くの学校では私物のスマホの持ち込みは認められていないと考えておくのが安全です。連絡手段が必要な場合は、事前に学校へ相談します。逆に、日本からオランダの学校に転入した直後は、授業で自分のスマホやノートPCを使う場面があることを、子どもに伝えておくと安心です。
11. 家庭でできるルール作り
学校の規則が厳しくなっても、子どもがスマホを使う時間の多くは家庭にあります。政府も、家庭のルール作りを支える仕組みを用意しています。
政府のキャンペーン「Blijf in Beeld(ブレイフ・イン・ベールト、目を離さないで)」は、最初のスマホを持つ時期の子どもの保護者に向けたもので、親子で一緒に書き込む約束カード(afsprakenkaart)を配布しています。2026年8月25日には新しい期間が始まり、政府委託の調査で、子どもが最初のスマホを持つのは平均10歳、10〜15歳の子どもの半数が怖い・悲しい投稿を見ることがある、と紹介されました(Rijksoverheid、2026年8月25日)。同じ調査では、89.4%の子どもが約束の大切さを理解していると答えています。多くの子どもが、恥ずかしさや怒られる不安から、嫌な体験を親に話さないことも分かりました(NL Times、2026年8月25日)。
約束カードに書く項目
| 項目 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 時間 | 平日・週末に使う時間帯 | 宿題のあと、夕食まで |
| 場所 | 寝室・食卓に持ち込むか | 夜はリビングで充電 |
| アプリ | 使ってよいもの、相談するもの | SNSは15歳まで待つ |
| 困ったとき | 誰に、どう話すか | 怒らずに聞くと親が約束 |
| 学校との関係 | 登校時の扱い | 家に置く、ロッカーに入れる |
| 日本の家族 | 通話・写真共有の頻度 | 週末に1回、30分ほど |
「困ったとき」の項目は、調査の結果を踏まえるといちばん大事です。子どもが嫌な投稿を見ても話さないのは、怒られることへの不安が大きな理由です。話してくれたら叱らないと親が先に約束しておくと、子どもは相談しやすくなります。
年齢ごとの考え方
小学校低学年までは、スマホを持たせず、家族のタブレットを親と一緒に使う形が中心になります。グループ6〜8(おおむね9〜12歳)は、連絡用の端末を持たせるかどうかを考える時期で、政府の目安ではグループ8からです。中等教育に上がると、チャットアプリを使い始め、学校の時間割や課題の連絡もオンラインで届くようになります。
日本語環境ならではの注意
日本語のアプリやゲームは、オランダのアプリストアの年齢表示と違う区分で配信されていることがあります。保護者が日本のアカウントで購入したアプリを子どもの端末で使う場合は、ペアレンタルコントロールが意図どおりに効いているかを一度確かめておくと安心です。日本の家族とのLINEグループに子どもを入れるときも、知らない人から連絡が来ない設定になっているかを確認します。
12. つまずきやすいところ
ここまでの内容のうち、とくに誤解しやすい点をまとめます。
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| 2027年1月から全面禁止が決まった | 提案の段階。学校との合意しだい |
| インターなら関係ない | 助成を受けるインターは取り決めの対象 |
| 休み時間はどこでも使える | 中等の57%はすでに家かロッカー |
| 1日3時間はすべての年齢の目安 | 12歳以上の目安。2〜11歳は数字なし |
| 家族の動画共有もvlog規制の対象 | 5万人以上の収益アカウントが対象 |
| SNSの15歳は法律で決まった | 政府の助言。EUで交渉中 |
もう1つ多いのが、学校ガイド(schoolgids)を読まないまま新学期を迎えることです。スマホの規則は毎年見直されることがあり、オランダ語でしか書かれていない学校もあります。翻訳ツールを使ってでも、該当の章だけは読んでおくのが確実です。
13. ケースで考える(架空の例)
ここでは、立場の違う3つの家庭を想定して、何をすればよいかを考えます。以下の家庭はすべて架空の例です。
| 家庭(架空) | 状況 | まずすること |
|---|---|---|
| Aさん一家 | 現地の小学校グループ5、土曜は補習校 | 両校の規則を一覧にし、スマホは持たせない |
| Bさん一家 | 政府助成のインター中等部1年 | ロッカーの有無を確認し、チャットの約束を書く |
| Cさん一家 | 私立インター、駐在で2年後に帰国 | 日本の中学校の持ち込み条件も調べておく |
Aさん一家は、平日の現地校では授業中の使用が禁止で、子どもはまだスマホを持っていません。補習校の送迎で連絡が必要な日は、親の端末で足ります。政府の目安ではグループ8まで待てばよいので、焦って持たせる必要はありません。日本の祖父母とのビデオ通話は、週末の決まった時間に親が一緒に行う、と決めました。
Bさん一家の学校は、2027年からの全面禁止の議論の対象です。いまは休み時間の使用が認められていても、学校が「家かロッカー」に切り替える可能性があります。時間割の変更は学校のアプリで確認するため、放課後にまとめて見る、という約束にしました。
Cさん一家は、オランダの全国的な取り決めの対象外の学校ですが、学校独自の規則があります。2年後に日本の中学校へ戻る予定なので、帰国先の自治体で持ち込みがどの条件で認められているかも、早めに調べておくことにしました。
14. やってはいけないこと
最後に、避けたい行動を理由とともに挙げます。
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 見出しだけで「禁止が決まった」と判断する | 提案段階で、学校ごとに運用が違う |
| 学校の規則を読まずに持たせる | 没収や連絡の行き違いの原因になる |
| 他の子が写った写真を公開する | 同意のない公開はトラブルになりやすい |
| 嫌な体験を話した子を叱る | 次から話さなくなる |
| 家庭のルールを一度決めて終わりにする | 学年と学校の規則で前提が変わる |
15. チェックリスト
- 子どもの学校ガイド(schoolgids)のスマホの章を読んだ
- 休み時間・昼休みの扱いと、ロッカーの有無を確認した
- 医療上の必要などの例外があれば、学校に伝えた
- 補習校など、平日と違う場所のルールを一覧にした
- 政府ガイドラインの年齢の目安を家族で共有した
- 約束カード(afsprakenkaart)に親子で書き込んだ
- 「話してくれたら叱らない」を親から伝えた
- 日本の家族との通話・写真共有の頻度と範囲を決めた
- 学校行事の写真の公開範囲を家族で確認した
- 2027年1月に向けた学校からの通知を待ち、届いたら読む
16. まとめ
- 2024年からの「授業中は使わない」は、全国的な取り決めとして実施中です
- 2026年10月5日に示された「家かロッカー」の全校化は、2027年1月1日を目標とする提案です
- 政府には命令権がなく、中身は教育界との合意しだいで、学校ごとの運用は残ります
- 政府の目安は、2歳未満は画面なし、12歳以上は1日3時間まで、スマホはグループ8から、SNSは15歳からです
- 家族vlogの規制は、5万人以上のフォロワーで収益を得ているアカウントが対象で、家族内の共有は対象外です
- 助成を受けるインターは取り決めの対象、私立インターと日本人学校は自校の方針です
- 家庭では、学校の規則を読み、約束カードで親子のルールを書き、数か月ごとに見直すのが実務的です
参考にした情報源
政府・当局・公的機関
- Kabinet presenteert strategie om kinderen online te beschermen — Rijksoverheid:2026年10月5日の戦略、「Thuis of in de kluis」と2027年1月1日の目標
- Mobiele apparaten in de klas — Rijksoverheid:現行ルールの対象機器・開始時期・例外
- Ook afspraken over mobieltjes op basisscholen — Rijksoverheid:初等・特別支援教育への拡大と「nee, tenzij」
- Duidelijk advies voor ouders: wacht met sociale media tot 15 jaar — Rijksoverheid:年齢別のスクリーンタイムの目安
- Kinderen krijgen steeds jonger een smartphone — Rijksoverheid:Blijf in Beeld と約束カード、平均10歳
- Strengere regels voor vlogfamilies en kidfluencers — Rijksoverheid:現行の許可制度と課題
- Hogere boetes en strengere regels voor vlogfamilies — Rijksoverheid:5万人の基準、年齢区分、罰金
- Ouders moeten ontheffing aanvragen voor kindvlogs — Ondernemersplein:施行日が未定であること
- Smartphonebeleid op school — Kennisnet:学校が規則をつくる6段階、MRの同意
- De staat van het onderwijs — Inspectie van het Onderwijs:2026年4月15日公表の年次報告
- Kohnstamm Instituut・Oberon の評価報告 — officielebekendmakingen.nl:全国的な取り決めの評価
- Visual material in education — Autoriteit Persoonsgegevens:学校の写真公開と同意
- Commission publishes guidelines on the protection of minors — European Commission:DSAの未成年保護ガイドライン
- Meeste scholen hebben mobieltje verbannen — NJi:初等・特別支援教育の調査結果
教育団体
- Vrijwel alle vo-scholen volgen landelijke afspraak — VO-raad:99%と57%、2025年7月の評価
- Kabinet presenteert brede aanpak — VO-raad:教育界の受け止め
- HBSC 2025 — VO-raad:中等教育の生徒の幸福度とSNS利用
在住者向け媒体
- Cabinet wants phones out of schools from January — DutchNews:起点の記事
- Inspectors link school violence to social media — DutchNews:教育監督局の報告の数字
- Many Dutch children hide upsetting online posts — DutchNews:政府調査とEUの動き
- Dutch government to completely ban smartphones from schools — NL Times:10月5日の発表
- Dutch parents want complete smartphone ban at school — NL Times:Ouders & Onderwijs の調査
- MPs want to ban smartphones from schools entirely — NL Times:中等教育の休み時間の実態
- Arnhem first Dutch city to urge parents — NL Times:自治体の呼びかけ
- Dutch kids get first smartphone at age 10 — NL Times:最初のスマホの年齢
- Dutch cabinet to ban phones for the entire school day from 2027 — IamExpat:交渉中であること、子どもインフルエンサーの報道
- Official Dutch guidelines set minimum age for social media at 15 — IamExpat:ガイドラインの紹介
- The Netherlands has officially banned phones in schools — DutchReview:2023年7月の発表と例外
- Primary schools in the Netherlands — Expatica:初等教育の1日と休み時間
- International schools — ACCESS:助成を受ける学校と私立の違い
- Schooling for expat kids in NL — Xpat.nl:学校の種類と入学条件
- Government funded international schools — The Hague International Centre:デン・ハーグ地域の助成校
学校・地域・日本の情報
- ISW Sweelincklaan bant mobieltjes van schoolterrein — Rodi:近隣の中等学校の例
- Mobile Phone Policy — International School Eindhoven:私立インターの方針の例
- 入学案内 — ロッテルダム日本人学校:日本人学校の位置づけ
- 学校における携帯電話の取扱い等について(2009年1月30日通知)— 文部科学省:日本の小中高の原則
- 学校における携帯電話の取扱いガイドライン — 奈良県:2020年の通知を受けた中学校の運用
- 学校のICT環境の整備 — 文部科学省:日本の学習用端末の整備
いずれも2026年10月24日に確認したものです。学校のスマホの規則は学校ごとに異なり、2027年1月に向けて変わる可能性があるため、在籍校の最新の通知で確認してください。
元記事はこちら
Cabinet wants phones out of schools from January — DutchNews
よくある質問
- オランダの学校では、2027年1月から休み時間もスマホが禁止になるのですか?
- 2026年10月24日時点では、まだ決定ではありません。政府は2026年10月5日、休み時間も含めて校内でスマホを使わせない「Thuis of in de kluis(家かロッカーに)」を2027年1月1日から全校に広げたいと表明しました。ただし政府には学校に命じる権限がなく、教育省が教育界と合意をつくる段階です。最終的なルールは通っている学校の規則で確認してください。
- いま決まっているオランダの学校のスマホのルールは何ですか?
- 全国的な取り決め(landelijke afspraak)で、中等教育は2024年1月1日から、初等教育と特別支援教育は2024-25学年度から、授業中の教育目的以外のスマホ・タブレット・スマートウォッチの使用が原則禁止です。医療上の必要や障害がある子、授業で使う場合は例外です。休み時間の扱いは各学校が決めています。
- オランダ政府は子どものスクリーンタイムを何時間までと勧めていますか?
- 2025年6月の政府ガイドラインは、2歳未満は画面を使わない、12歳以上は1日3時間までを目安とし、最初のスマホは小学校のグループ8から、チャットアプリは中等教育から、InstagramやTikTokなどのSNSは15歳からを勧めています。法律ではなく保護者向けの助言で、2〜11歳の時間の目安は示されていません。
- 家族vlogの規制は、日本の祖父母に写真や動画を送ることにも関係しますか?
- 関係しません。政府が準備している規制は、フォロワー5万人以上で収益を得ている商業的なアカウントに出る13歳未満の子どもについて、親に労働監督局の許可(ontheffing)を求めるものです。家族内のビデオ通話や非公開の写真共有は対象外です。ただし、学校行事で写った他の子の写真を広く公開する場合は、その家庭の同意に配慮が必要です。
- インターナショナルスクールや日本人学校にも、オランダのスマホのルールは適用されますか?
- 政府の助成を受けるインターナショナルスクール(オランダの学校の国際部門)は教育省の規則に従うため、全国的な取り決めの対象になります。私立のインターナショナルスクールや日本人学校は自校の方針で運用しており、取り決めにそのまま縛られるわけではありません。実際には多くの学校が独自にスマホの使用を制限しているので、学校の規則を確認してください。
- 子どもにスマホを持たせるとき、家庭でまず何を決めればよいですか?
- 政府のキャンペーン「Blijf in Beeld」は、親子で一緒に書き込む約束カード(afsprakenkaart)を用意しています。使う時間帯、寝室に持ち込むか、使ってよいアプリ、困ったものを見たときに誰に話すかを先に決め、学校の規則と食い違わないようにするのが実務的です。決めたことは数か月ごとに見直します。
出典: DutchNews