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オランダの資産課税Box 3はどう変わる?2027年の非課税枠半減案と2028年の運用益課税を在住者向けに整理

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オランダの資産課税Box 3はどう変わる?2027年の非課税枠半減案と2028年の運用益課税を在住者向けに整理

オランダに住むと、毎年春の確定申告で Box 3(ボックス・ドリー、貯蓄と投資の課税区分) という言葉に出会います。預金や株式、投資用の不動産などの資産に、国が決めた「みなし利回り」をかけて課税する仕組みです。給与の Box 1、会社の大口株主向けの Box 2 と並ぶ、所得税の3つ目の箱です。

この Box 3 が、2027年と2028年の2段階で大きく変わろうとしています。2026年9月29日、政府は2027年の非課税枠をほぼ半分にする案と、2028年から実際の運用益に課税する仕組みの修正案を議会に示しました。ところが、わずか2日後に下院から強い反対を受け、財務大臣は一部を見直すと表明しています。

この記事は、DutchNews の解説「The box 3 tax changes: what they are and what they mean for you」(2026年9月30日)を起点に、NL Times・DutchReview・IamExpat・Expatica・ACCESS・The Hague International Centre・Xpat.nl の記事と、税務当局(Belastingdienst)、政府(Rijksoverheid)、上院(Eerste Kamer)の一次資料を突き合わせて整理したものです。予算全体の話は「Prinsjesdag 2026の予算案で何が変わる?」にまとめたので、ここでは Box 3 だけ に絞ります。個別の投資判断には立ち入りません。

この記事が主に根拠にした情報

  • DutchNews「The box 3 tax changes: what they are and what they mean for you」(2026年9月30日)
  • Eerste Kamer「36.748 Wet werkelijk rendement box 3」の審議経過(2026年10月13日の委員会決定まで)
  • Belastingdienst の2026年の Box 3 の計算方法と、部分的非居住者の経過措置のページ
  • NL Times(2026年10月2日・9日)と DutchReview(2026年9月30日・10月2日)の続報
この記事で分かること 答えの要点
2027年に何が変わりそうか 非課税枠の半減案とみなし利回りの引き上げ案。どちらも見直し中
2028年に何が変わりそうか みなし利回りから実際の運用益への課税。株式などは売却時に課税する案
法案はどこまで進んだか 下院は可決済み。上院は修正法案待ち。期限は2026年12月31日
日本に残した資産は 居住者なら申告の対象。不動産は二重課税の控除がある
30%ルーリングの人は 部分的非居住者の経過措置は2026年分まで
今やること 1月1日の残高と取得価額・売買記録の保存。数字の確定を待つ

1. いま何が起きているか:9月29日の方針から10月の見直しまで

Box 3 の見直しは、2021年12月24日の最高裁判所(Hoge Raad)の判決から始まっています。クリスマス直前に出たため Kerstarrest(ケルストアレスト、クリスマス判決) と呼ばれます。判決は、全員が同じ資産構成を持つと仮定して架空の利回りに課税する仕組みが、欧州人権条約の財産権の保護に反すると判断しました。

それから5年近く、政府は「実際の運用益に課税する」新制度の準備を続けてきました。法案 Wet werkelijk rendement box 3(ヴェット・ヴェルケレック・レンデメント、Box 3 実質収益法) は2025年5月に下院へ出され、2026年2月12日に下院で可決されました。ところが上院では、値上がりしただけの株式にも毎年課税する設計に批判が集まり、2026年6月30日の本会議で採決が延期されました。

2026年の秋は、この法案を作り直す動きが一気に進みました。主な出来事を時系列で並べます。

2021年12月に最高裁判決。2026年2月12日に下院が新制度の法案を可決。6月30日に上院が採決を延期。9月29日に政府が修正方針を示し、10月2日に国務院へ緊急の意見を求めた。12月31日までに上院で修正法案が可決されれば、2028年1月1日に新制度が始まる予定。後の2つは未確定。 2021.12 最高裁が現行制度を問題視 みなし利回りの課税に判断 2026.2 下院が新制度の法案を可決 2月12日、実際の運用益に課税 2026.6 上院が採決を延期 6月30日、修正法案を待つ 2026.9 政府が修正方針を提示 9月29日、2027年の枠も縮小案 2026.10 国務院に緊急の意見を求める 10月2日。下院は縮小案に反対 2026.12 上院で修正法案の可決期限 12月31日。間に合うかは未定 2028.1 新制度の開始予定 点線の円は未確定の予定
図1:Box 3 見直しの経過と今後の予定(出典:Eerste Kamer 36.748、Eerste Kamer 財務委員会 2026年10月5日、Rijksoverheid。2026年10月22日確認)

図の後半2つが点線になっているのは、まだ確定していないからです。上院の財務委員会は、修正法案が「2026年12月31日までに上院で可決されなければならない」と議事資料に明記しています。下院での審議もこれからです。

9月29日に示された修正方針

首相と財務大臣は9月29日、下院への書簡で Box 3 の新しい方針を示しました。報道と会計事務所の解説を突き合わせると、柱は次の3つです。

項目 9月29日の案 報じた主な媒体
2028年からの課税方法 株式・債券・ETF など金融商品は売却時に課税 DutchNews、DutchReview、Deloitte
2027年の非課税枠 1人59,357ユーロ→30,846ユーロ DutchNews、IamExpat、DutchReview
2027年のみなし利回り 預金以外の資産で1.5ポイント上乗せ DutchReview、Deloitte
2028年の非課税の運用益 1,800ユーロ→1,000ユーロ NL Times、DutchNews
残りの資産 預金・暗号資産などは2030年に移行 Deloitte、DutchReview

表のうち、2027年の非課税枠と2028年の非課税の運用益を下げる案は、どちらも「新制度で減る税収の穴埋め」として出されたものです。この2つが、すぐに議会の反発を受けました。

48時間後の見直し

NL Times によると、10月2日の下院の審議で、野党だけでなく与党の議員からも、少額の預金者に負担を寄せる案への批判が相次ぎました。財務大臣は、2028年の非課税の運用益を1,800ユーロに戻すよう求める声に応じる姿勢を示し、2027年の非課税枠の縮小も見直すと述べています(NL Times、2026年10月2日、DutchNews、2026年10月2日)。

その後、10月9日の NL Times は、代わりの財源案が下院の税制審議(10月12日から)に間に合わず、10月中に示される見込みだと報じました。10月22日時点で、代わりの案はまだ公表されていません。2027年の非課税枠も、2028年の非課税の運用益も、確定した数字はないというのが現状です。

2. Box 3 のしくみ:2026年の現行制度をおさらい

変更点を読む前に、今の仕組みを確認しておきます。Box 3 は「1月1日時点の資産」に対して、国が決めた利回りで計算した「みなしの収益」に課税します。実際にいくら儲かったか、損をしたかは、原則として関係ありません。

2026年の数字は、税務当局の記入説明で次のように示されています。

項目 2026年の値 意味
非課税枠(heffingsvrij vermogen) 1人59,357ユーロ パートナーがいれば合計118,714ユーロ
みなし利回り・預金 1.28% 銀行預金にかける利回り
みなし利回り・その他の資産 6.00% 株式・債券・暗号資産・投資用不動産など
みなし利回り・借入 2.70% 借入はマイナスとして差し引く
借入の控除の下限 3,800ユーロ これを超える部分だけ差し引ける
税率 36% みなしの収益にかける

出典は Belastingdienst の 2026年の税額計算の説明と非課税枠のページです。預金の利回り1.28%は年度の途中の暫定値で、確定値は翌年に公表されます。

計算の例(2026年)

単身で、1月1日に預金だけを100,000ユーロ持っている人を考えます。資産全体のみなし収益は100,000×1.28%=1,280ユーロで、資産に対する利回りは1.28%です。非課税枠を超える40,643ユーロにこの利回りをかけると約520ユーロ、その36%の約187ユーロが税額になります。

同じ100,000ユーロをすべて株式や投資信託で持っていると、利回りは6.00%になります。40,643ユーロ×6.00%=約2,439ユーロに36%をかけて、税額は約878ユーロです。同じ金額でも、預金か投資かで税額が4倍以上違うのが現行制度の特徴です。

「実際の収益」で申告できる経過措置

最高裁判決を受けて、2025年7月8日に上院で Wet tegenbewijsregeling box 3(反証規定法) が可決されました。みなしの収益より実際の収益が少ないことを示せば、少ない方で課税されるという経過措置です(Taxlive)。

税務当局の説明では、2025年分からは申告書の中で実際の収益を入力でき、当局がみなしと実際のうち有利な方を適用します。ただし、ここでいう実際の収益には売っていない株式の値上がりも含まれ、マイナスはゼロとして扱われ、翌年に繰り越せません(Belastingdienst「Wat is mijn werkelijk rendement?」)。この措置は、新制度が始まるまで続く予定です。

3. 2027年:非課税枠の半減案と、みなし利回りの上乗せ案

2027年は、制度そのものは現行のみなし課税のまま続きます。変わろうとしているのは、そのパラメーターです。9月29日の案は、2028年の新制度で減る税収を補うため、2027年だけ負担を重くする内容でした。

項目 現行法の延長(指数化) 9月29日の案 状況(10月22日)
非課税枠(1人) 60,098ユーロと報じられる 30,846ユーロ 財務大臣が見直しを表明
その他の資産の利回り 6.37%と報じられる 7.87% 代わりの案は未公表
預金の利回り 翌年に確定 変更なし —
税率 36% 36% —

現行法の延長の欄は、会計事務所の解説(Deloitte)と個人の金融ブログ(Mr FOB)が挙げている数字で、政府の一次資料では確認できていません。表のとおり、2027年の数字は「現行のまま」と「縮小案」の間で宙に浮いている状態です。

1人あたりの非課税枠は2025年が57,684ユーロ、2026年が59,357ユーロ。2027年は現行法の延長なら60,098ユーロと報じられ、9月29日の案では30,846ユーロ。 2025年 €57,684 2026年 €59,357 2027 現行法 €60,098 2027 縮小案 €30,846 2027年の2本は未確定(縮小案は見直し中)
図2:Box 3 の1人あたり非課税枠(出典:The Hague International Centre(2025年)、Belastingdienst(2026年)、Mr FOB・DutchNews(2027年)。2026年10月22日確認)

縮小案の30,846ユーロは、2020年の非課税枠と同じ水準です。DutchReview は、2020年の水準に戻す案だと説明しています。図のとおり、案が通れば2027年1月1日時点で非課税枠を超える人が一気に増えます。

預金だけの人への影響(試算)

単身で預金100,000ユーロ、2027年の預金の利回りが2026年と同じ1.28%と仮定して試算します。非課税枠が60,098ユーロなら、課税対象は39,902ユーロで、税額は約184ユーロです。30,846ユーロなら課税対象は69,154ユーロになり、税額は約319ユーロに増えます。

預金の利回り自体は上乗せの対象ではありません。それでも、非課税枠が半分になると、これまで Box 3 と無縁だった人に初めて請求が届きます。IamExpat は、下院議員の発言として「約85万人の少額預金者が初めて課税される」と伝えています(IamExpat、2026年10月1日)。

投資している人への影響(試算)

同じ100,000ユーロを株式や投資信託で持つ場合、現行法の延長(60,098ユーロ・6.37%)なら税額は約915ユーロです。縮小案(30,846ユーロ・7.87%)では約1,959ユーロになり、2倍強です。投資用の不動産やセカンドハウスも「その他の資産」に入るため、同じ上乗せを受けます。

民間の家主の業界団体 Vastgoed Belang は、この案で家主の税負担が「31.2%以上」重くなり、賃貸住宅の売却が進むと警告しています(NL Times、2026年10月1日)。これは業界団体の試算で、政府が示した数字ではありません。

媒体によって数字が違うところ

2027年の数字は、媒体ごとに少しずつ違います。どれかが誤りというより、比べている基準が違うことが多いので、食い違い自体を並べておきます。

項目 媒体Aの数字 媒体Bの数字 違いの理由(推定を含む)
2027年のその他の資産の利回り 6%→7.5%(DutchReview) 6.37%→7.87%(Deloitte、Mr FOB) 2026年の値と2027年の見込みのどちらを基準にしたか
2027年の非課税枠(現行法) 約61,000ユーロ(DutchReview) 60,098ユーロ(Mr FOB) 指数化の見込みの時点の違い
2026年の非課税枠 51,396ユーロ(IamExpat、2025年11月) 59,357ユーロ(Belastingdienst) IamExpat は過去の縮小案の数字
新制度の費用 2035年までに約150億ユーロ(DutchNews) 最大160億ユーロ(IamExpat) 推計の時点と範囲の違い
財源の穴 未手当てが77億ユーロ(IamExpat) 最大200億ユーロの改革(DutchNews) 「穴」と「総費用」の混同に注意

表のうち、2026年の非課税枠は税務当局の59,357ユーロが正しい数字です。新制度の費用や財源の穴は、いずれも報道ベースの数字で、政府の確定した見積もりではありません。

4. 2028年:みなし利回りから「実際の運用益」への課税へ

2028年からの新制度は、Box 3 の考え方そのものを変えます。1月1日の残高にみなし利回りをかけるのではなく、その年に実際に生まれた収益に課税します。税率は36%のままです。

下院を通過した法案は、預金の利息や配当、家賃などの「実際の収入」に加え、株式などの値上がりも、売っていなくても毎年課税する設計でした。これを vermogensaanwasbelasting(ヴェルモーヘンスアーンヴァス、資産増加税) と呼びます。一方、不動産とスタートアップの株式だけは、売却したときに利益に課税する vermogenswinstbelasting(ヴェルモーヘンスヴィンスト、キャピタルゲイン税) の対象でした(Rijksoverheid)。

9月29日の修正方針は、この2つの比重を入れ替えるものです。株式・債券・ETF などの金融商品も2028年から売却時の課税に移し、預金や暗号資産などは2030年に移す案です。Deloitte は、値動きのある資産の約90%が2028年の時点で売却時課税に入ると説明しています。

9月29日の案では、2028年から株式・債券・ETF・投資信託と不動産、スタートアップ株は売却時に課税する。預金・暗号資産・保険商品は2030年まで毎年の増減に課税する。自宅と職域年金は Box 3 の対象外。 2028年から 売却時に課税 株式・債券・ETF・投資信託 投資用不動産・スタートアップ株 2030年まで 毎年の増減に課税 預金の利息・暗号資産 保険商品・その他の一部 Box 3 の対象外 自宅(Box 1)・職域年金
図3:9月29日の修正方針による2028年の資産の区分(出典:Deloitte、DutchReview、Rijksoverheid。2026年10月22日確認。修正法案は審議前の案)

図の上段が、今回の見直しでいちばん大きく動いた部分です。下院を通過した法案では、上段のうち金融商品は「毎年の増減に課税」の側にありました。

非課税になる運用益:1,800ユーロか1,000ユーロか

新制度では、資産の額ではなく運用益の額に非課税枠を設けます。下院を通過した法案では、1人1,800ユーロ(パートナーと合わせて3,600ユーロ)までの運用益に税がかかりません。9月29日の案は、これを1,000ユーロに下げるものでした。

項目 下院通過の法案 9月29日の案 10月の動き
非課税の運用益(1人) 1,800ユーロ 1,000ユーロ 下院が1,800ユーロに戻すよう要求
パートナーの合計 3,600ユーロ 2,000ユーロ 同上
税率 36% 36% 35%の選択肢も検討と報道
損失の繰越 年500ユーロを超える損失を翌年以降へ 同じ 繰戻しは見送り

財務大臣が1,000ユーロを選んだのは、「預金10万ユーロ前後の夫婦が課税されない」水準を想定したためだと DutchReview は伝えています。一方で、対象になる人数を少なく見積もっていたことを大臣自身が認めたとも報じられています。表の数字は、修正法案の審議で変わる可能性が高い部分です。

預金額ごとの税額(2028年案の試算)

預金の利息は2028年以降も毎年課税されます。非課税の運用益が1,800ユーロか1,000ユーロかで、どれだけ違うかを、利率2%・単身で試算しました。

利率2%、単身の試算。預金5万ユーロではどちらも0ユーロ。8万ユーロでは非課税1,800ユーロなら0ユーロ、1,000ユーロなら216ユーロ。10万ユーロでは72ユーロと360ユーロ。15万ユーロでは432ユーロと720ユーロ。 非課税1,800ユーロ 非課税1,000ユーロ €50,000 €0 €0 €80,000 €0 €216 €100,000 €72 €360 €150,000 €432 €720
図4:預金額ごとの2028年の税額(利率2%・単身・税率36%で試算。非課税額はDutchNews・NL Timesの報道による。2026年10月22日時点の案で、確定した税額ではありません)

DutchNews の例でも、70,000ユーロを2%で預けると利息は1,400ユーロ、非課税1,000ユーロを超える400ユーロに36%がかかって約144ユーロです。図のとおり、利率2%なら非課税1,000ユーロは預金約5万ユーロ、1,800ユーロなら約9万ユーロに相当します。金利が下がれば、課税が始まる預金額は上がります。

損失の扱いと記録の負担

新制度では、ある年に運用で損が出た場合、500ユーロを超える部分を翌年以降の利益と相殺できる設計です(Mr FOB)。現行の反証規定では損失を繰り越せないので、ここは改善点です。ただし、前の年に払った税金を取り戻す「繰戻し」は、修正法案にも入っていないと報じられています。

もう一つの変化は、自分で計算する場面が増えることです。DutchNews と Deloitte は、少なくとも新制度の初年度には、銀行が申告書の事前記入に必要なデータを出せない見込みだと伝えています。売却時に課税されるなら、何をいくらで買ったかという取得価額の記録がなければ、利益を計算できません。

5. 資産の種類ごとの扱い:預金・株式・不動産・暗号資産

ここまでの内容を、資産の種類ごとにまとめ直します。2027年と2028年で、同じ資産でも課税の考え方が変わる点に注意してください。

資産 2026〜2027年(現行のみなし課税) 2028年以降(9月29日の案)
銀行預金 預金の利回り(2026年は1.28%) 実際の利息に毎年課税
株式・ETF・投資信託 その他の利回り(2026年は6.00%) 売却したときの利益に課税
債券 その他の利回り 売却時。利息は毎年
暗号資産 その他の利回り 2030年まで毎年の増減に課税
投資用不動産・別荘 その他の利回り 売却益は売却時、家賃は毎年
自宅 Box 1(Box 3 の対象外) 変わらず Box 1

表のとおり、2028年以降は「売るまで課税されない資産」と「毎年課税される資産」に分かれる見込みです。どちらに入るかで、記録の取り方も変わります。

預金

預金は、新制度でも利息に毎年課税されます。2027年はみなし利回りのまま、非課税枠の縮小案の影響を最も受けやすい資産です。DutchNews は、利率が1.25%なら約8万ユーロ、3%なら約3万3,000ユーロを超えたあたりから課税が始まると試算しています(非課税1,000ユーロの場合)。

株式・ETF・投資信託

2027年は、みなし利回りの上乗せ案の対象です。2028年からは、案のとおりなら売却するまで課税されません。毎年課税する当初の法案より負担の時期が後ろにずれるぶん税収が遅れ、政府は財源の手当てに苦労しています。

不動産

自宅は Box 1 で扱われ、Box 3 の対象外です。住宅ローンの残りを超える価値(含み益)にも Box 3 の課税はかかりません(Rijksoverheid)。投資用の物件や別荘は Box 3 の対象で、2027年は上乗せ案の影響を受けます。

2028年以降の不動産については、売却益は売却時に課税し、家賃収入は毎年課税する設計です。Mr FOB は、年間を通して貸していない物件にはWOZ評価額(ヴォズ、自治体の不動産評価額)の3.35%を収入とみなす規定があると解説しています。細部は法案の審議で変わり得るので、物件を持つ人は税理士への確認をおすすめします。

暗号資産と外貨

DutchReview と Deloitte によると、暗号資産は2030年に売却時課税へ移る予定で、それまでは毎年の値動きに課税される側に残ります。DutchNews は、オランダの報道として外貨も2030年に移ると伝えています。円建ての預金を持つ人は、為替の変動がどう扱われるかを、修正法案の条文が出てから確かめる必要があります。

6. 海外資産と、日本に残した資産の扱い

オランダの税務上の居住者は、世界中の資産を Box 3 で申告します。日本に残した預金や証券口座も例外ではありません。ACCESS は「資産を母国に置いたままでもよいが、オランダの申告書には載せる必要がある」と案内しています(ACCESS)。

日本の金融機関はオランダの申告書を作ってくれません。DutchNews も、海外の口座は自分で記録を取るよう呼びかけています。日本人在住者がよく持っている資産を、種類ごとに整理します。

日本の資産 オランダの Box 3 では 日本側で起きること
銀行預金(円) 1月1日の残高をユーロ換算して申告 非居住者は利子に源泉徴収
証券口座の株式・投資信託 その他の資産として申告 非居住者の口座継続は各社の規定次第
NISA口座 非課税扱いはなく、通常の資産として申告 出国中は新規の買付け不可
不動産(貸している物件など) 申告し、二重課税を避ける控除を受ける 日本で不動産所得を申告
貯蓄型の生命保険 解約返戻金などが資産になり得る 保険会社に確認

表のうち、NISA は日本の制度上の非課税であって、オランダでは関係ありません。オランダの居住者である限り、NISA口座の中の投資信託も、ほかの資産と同じように Box 3 の計算に入ります。

NISA口座と出国

日本の NISA は、2024年からつみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、生涯の非課税保有限度額が1,800万円です(国税庁 No.1535)。金融庁は、転勤などやむを得ない理由の一時的な出国なら、事前の手続きで「一定の期間」非課税を続けられ、出国中は新たな買付けができないと案内しています(金融庁 NISA特設サイト)。国税庁の以前の資料では、この期間は継続適用届出書の提出から5年を経過する日の属する年の末までとされていました。

ただし、これは日本で課税されないというだけです。オランダの Box 3 は、NISA口座の中身を区別しません。日本では非課税のまま、オランダではみなし利回り(2028年以降は運用益)で課税される、という状態になります。取扱いの有無は金融機関ごとに違うと金融庁も注記しているので、口座のある証券会社に確認してください。

日本の預金と為替

日本の円預金は、1月1日時点の残高をユーロに換算して申告します。換算に使うレートや為替差の扱いは、申告書の記入説明で年ごとに確認してください。2028年以降、円預金は「毎年の増減に課税」の側に入る見込みで、為替の動きが収益として扱われるかは修正法案の条文を待つ必要があります。

日本の銀行は、非居住者の預金利子から所得税を源泉徴収します。日蘭租税条約では、利子にかかる源泉地国の税率の上限は10%(政府・銀行などが受け取る場合は免税)です(財務省「オランダ王国との新租税条約のポイント」)。条約の税率を適用してもらうには、日本の金融機関に届出書を出す必要があります。

日本の配当と二重課税

日本の株式や投資信託の配当にも、日本で源泉徴収がかかります。日蘭租税条約では、一般の配当の上限税率は10%です(財務省)。オランダの申告では、条約で認められた範囲の外国の源泉税を差し引ける仕組みがあります(Belastingdienst「Te verrekenen belasting」)。

日本の不動産

日本に持っているマンションなどの不動産も、オランダの居住者なら Box 3 の資産として申告します。そのうえで、不動産が所在する国が課税権を持つため、オランダでは二重課税を避けるための控除(vrijstellingsmethode、免除方式)を受けられます。ACCESS も、海外の別荘や2軒目の住宅は申告が必要で、通常は二重課税の控除を申請できると説明しています。

1億円を超える資産を持って出国した人

日本には、1億円以上の有価証券などを持って出国する人の含み益に課税する 国外転出時課税 があります。出国前10年以内に5年を超えて日本に住所があった人が対象です(国税庁 No.1478)。これはオランダの Box 3 とは別の制度ですが、取得価額の考え方に関わるので、該当する人は日蘭両方の税理士に相談してください。

7. 30%ルーリングと「部分的非居住者」扱いの終わり

日本からの駐在員や高度人材の多くは、30%ルーリング(expatregeling、エクスパットレヘリング) を受けています。かつては、この適用者が partiële buitenlandse belastingplicht(パルツィエーレ・ブイテンランツェ・ベラスティングプリヒト、部分的非居住者) を選ぶと、Box 3 では「オランダ国内の不動産など」だけを申告すればよく、日本の預金や株式は対象外でした。

この選択肢は、2025年1月1日から廃止されています。税務当局によると、2024年より前から30%ルーリングを受けていた人だけが、経過措置で 2026年分まで 選べます(Belastingdienst)。

30%ルーリングの開始時期 2026年分の Box 3 2027年分以降の Box 3
2023年末までに適用(経過措置の対象) 部分的非居住者を選べる 国外資産も含めて申告
2024年以降に適用 国外資産も含めて申告 国外資産も含めて申告
年の途中でルーリングが終了 終了日まで選べる 国外資産も含めて申告

経過措置を使うには、2023年最後の給与期間に30%ルーリングが適用されていたこと、その後に中断がないことなどの条件があります。転職の場合も、3か月以内に新しい雇用主のもとで適用が続けば中断と見なされない、といった細かい規定があります(Belastingdienst の専門家グループの見解)。

ここで重なるのが日付です。経過措置が終わった直後の2027年1月1日が、非課税枠の縮小案が適用されるかもしれない基準日です。これまで日本の資産を申告していなかった人が、2027年分から初めて日本の口座を全部申告し、しかも非課税枠が小さくなっている、という事態があり得ます。

30%ルーリング自体の上限が2027年から27%になる話は、「Prinsjesdag 2026の予算案で何が変わる?」で扱っています。古い解説には部分的非居住者の話が今も有効なように書かれたものがあり、たとえば Xpat.nl の住宅の税金の解説も、部分的非居住者には Box 3 の課税がないという前提で書かれています(Xpat.nl)。記事の日付を必ず確かめてください。

8. 法案はどこまで進んでいるか:成立済み・審議中・案の区別

Box 3 の話題では、成立した法律と、審議中の法案と、まだ書簡で示されただけの案が、同じ記事に並びがちです。2026年10月22日時点の状況を区別しておきます。

法律・案 中身 状況
反証規定法(Wet tegenbewijsregeling box 3) 実際の収益が低ければそちらで課税 成立済み(2025年7月8日に上院可決)
Box 3 実質収益法(36.748) 2028年から実際の運用益に課税 下院可決(2026年2月12日)、上院で採決延期
同法の修正法案(ノヴェレ) 金融商品を売却時課税へ、非課税額の変更 国務院の緊急の意見待ち。下院に未提出
2027年の非課税枠の縮小とみなし利回りの上乗せ 30,846ユーロ、7.87% 9月29日の書簡で提示。見直し中
税制案 2027(Belastingplan 2027) 税率・控除など。Box 3 の措置は当初含まず 下院で審議中

上院の法案ページによると、下院では SP、GroenLinks-PvdA、D66、Volt、PvdD、CDA、VVD が賛成し、2026年2月12日に可決されました。上院では6月30日に本会議の審議が行われ、修正法案が出るまで採決を延ばすことになりました(Eerste Kamer 36.748)。

修正法案は novelle(ノヴェレ、成立前の法案を直す法案) という形を取ります。上院は法案を修正できないため、内容を変えたいときは政府が別の法案を出し、下院から審議し直す必要があります。上院の財務委員会は10月13日、政府の進め方に暫定的に同意し、下院での修正法案の審議を待つと決めました。

今後の日程(報道ベース)

報道によると、国務院(Raad van State)の意見は10月28日ごろ、修正法案の下院への提出は11月2日ごろが見込まれています(Dagelijkse Standaard)。いずれも政府が公式に確定させた日程ではありません。

もし12月31日までに上院で可決されなければ、2028年の開始は少なくとも1年遅れ、現行のみなし課税と反証規定が続くと Mr FOB は解説しています。どちらの道でも、2026年分と2027年分は現行制度で申告することは変わりません。

9. 日本の金融所得課税と比べてみる

日本から来た人がまず戸惑うのは、オランダの Box 3 が「儲けにかかる税」ではなく「資産にかかる税」として始まっている点です。日本の金融所得課税と並べると、違いがはっきりします。

項目 日本(居住者) オランダ Box 3(2026年) オランダ Box 3(2028年案)
課税の対象 実際の利子・配当・売却益 1月1日の資産のみなし収益 実際の利息・配当・売却益など
税率 20.315%(所得税等15.315%+住民税5%) 36% 36%
非課税の枠 NISA(生涯1,800万円まで) 資産59,357ユーロまで 運用益1,800ユーロ(案では1,000ユーロ)
株式の値上がり 売ったときに課税 売らなくても利回りで課税 売ったときに課税(案)
預金の利子 源泉分離課税で完結 みなし利回り1.28% 実際の利息に毎年課税
損失 3年間の繰越控除あり 原則なし 500ユーロ超を繰越(案)

日本の税率は、上場株式等の譲渡益と預貯金利子について国税庁が示す20.315%です(国税庁 No.1463、No.1520)。国税庁の資料には、2027年分以降は防衛特別所得税が加わる旨の記載もあるので、日本で申告がある人は最新の資料で確認してください。

表のとおり、2028年案は日本の仕組みに近づく方向です。「売ったときに課税」「損失の繰越」という点は、日本の証券口座に慣れた人にはわかりやすくなります。一方で、税率は36%と日本より高く、非課税の考え方も「投資額の枠」ではなく「運用益の枠」です。単純に有利・不利を比べるより、同じ言葉でも中身が違うと理解しておくのが安全です。

「特定口座」がない

日本の証券会社の 特定口座(源泉徴収あり) は、売買の損益を証券会社が計算し、税金も差し引いてくれます。オランダには同じ仕組みがありません。2028年以降、売却時に課税されるなら、取得価額と売却価額を自分で整理する必要があります。日本の証券会社が出す 年間取引報告書 は、日本の口座については有力な記録になります。

10. 日本の家族にどう説明するか

オランダで資産に課税されると日本の家族に話すと、「二重に取られるのか」「日本の口座を閉じるべきか」と心配されることがあります。誤解されやすい点と、説明の言い方を整理します。

家族が心配すること 説明のしかた
日本とオランダで二重に取られる 条約で日本の源泉税の上限が決まり、オランダで差し引ける仕組みがある
日本の口座を閉じないといけない 閉じる必要はない。オランダで申告すればよい
NISA は非課税のはず 日本で非課税なだけで、オランダの申告には含める
相続した実家も課税される 自宅以外の不動産は申告の対象。二重課税の控除がある
来年から税金が倍になる 2027年の数字は案の段階で、まだ決まっていない

表の説明は一般論で、家族の資産の名義や相続の状況によって答えは変わります。とくに、親から預金や不動産を相続したり、日本の家族名義の口座を実質的に管理していたりする場合は、オランダの申告にどう載せるかを税理士と確認してください。

11. 立場ごとに考える(架空のケース)

ここからは、架空の人物で考えます。実在の人物ではなく、数字は2026年10月22日時点の案に基づく概算です。

ケース(架空) 持っている資産 2027年の注意点 2028年以降の注意点
Aさん:単身、2024年に来蘭、30%ルーリングあり 日本の預金400万円、オランダの預金2万ユーロ 部分的非居住者は使えない。合計が縮小案の枠を超えるか確認 利息が非課税額を超えるか
Bさん:夫婦、2022年から駐在 日本の証券口座とNISA、計10万ユーロ相当 経過措置は2026年分で終了。2027年1月1日から全額申告 売却時課税なら取得価額の記録が鍵
Cさん:永住、子ども2人 日本の実家(相続)、オランダの投資信託 不動産は上乗せ案の対象。二重課税の控除を申請 家賃収入の有無で扱いが変わる

表のAさんは、日本の預金を1ユーロ=約160円とすると約2.5万ユーロ、合計で約4.5万ユーロです。2026年の非課税枠なら課税されませんが、2027年に30,846ユーロへ下がれば課税対象になります。Bさんは、これまで部分的非居住者で日本の資産を申告していなかった場合、2027年分から初めて申告することになります。

Cさんのように日本に不動産があると、評価額の決め方や二重課税の控除の計算が必要になります。手続きは複雑になりやすいので、日蘭両方の制度に詳しい税理士への相談が現実的です。為替レートは試算のための仮定で、実際の申告では基準日のレートを使います。

12. つまずきやすいところ

制度の変わり目は、誤解が生まれやすい時期です。よくある思い込みと、実際のところを並べます。

よくある思い込み 実際のところ
2028年から Box 3 はなくなる なくならない。課税の基準が実際の運用益に変わる予定
2027年の非課税枠は3万ユーロに決まった 案の段階。財務大臣が見直しを表明
日本の資産は日本で課税済みだから申告不要 居住者なら申告が必要。二重課税は控除で調整
NISA の中身は対象外 オランダでは通常の資産として扱う
30%ルーリングがあれば国外資産は関係ない 部分的非居住者の選択は2026年分まで
売らなければ一切課税されない 預金・暗号資産は2030年まで毎年課税の案
損をした年は申告しなくてよい 申告は必要。新制度では損失の繰越に記録が要る

表の最後の点は、新制度で特に大事になります。損失を翌年以降の利益と相殺するには、その年の損失を申告で確定させておく必要があるためです。

古い記事の数字に注意

在住者向けの媒体には、数年前の数字のまま更新されていない解説も残っています。たとえば Expatica の投資の解説(2025年9月更新)は、非課税枠50,650ユーロ、税率31%という数年前の制度の説明のままです(Expatica)。税率と非課税枠は、必ず税務当局のページで最新の年の数字を確認してください。

13. いまから準備すること

制度が確定するまで、資産の配置を大きく変える必要があるかどうかは、人によって違います。この記事では個別の投資判断には触れません。そのかわり、どの案が通っても必要になる準備を、時期ごとに並べます。

  1. 2026年12月31日までに:日本とオランダのすべての口座を一覧にする(銀行・証券・NISA・保険・暗号資産の取引所)
  2. 2027年1月1日に:各口座の残高を記録する。スクリーンショットか取引明細のPDFを保存する
  3. 2027年春の申告で:2026年分を申告する。30%ルーリングの経過措置を使える人は、最後の年であることを確認する
  4. 2027年中:株式・投資信託の取得価額を口座ごとに整理する。日本の口座は年間取引報告書を保存する
  5. 2027年11月〜12月:修正法案が成立したか、2028年の非課税額がいくらになったかを確認する
  6. 2028年1月1日に:新制度の出発点として、全資産の残高と評価額を記録する
  7. それ以降:売買・配当・手数料の記録を年ごとに保存し、損失が出た年も申告する
時期 やること 確認先
2026年11〜12月 修正法案と2027年の数字の確定を追う Eerste Kamer、Rijksoverheid
2027年1月1日 全口座の残高を記録 各金融機関
2027年3〜5月 2026年分の申告 Belastingdienst
2027年中 取得価額の整理 証券会社の取引記録
2028年1月1日 新制度の出発点の記録 各金融機関

表の確認先のうち、上院の法案ページは審議の状況が日付つきで更新されるので、制度の行方を追うのにいちばん確実です。

14. まとめ

  • Box 3 の見直しは、2026年10月22日時点でどれも成立していません。新制度の法案は下院を通過済みで、上院が修正法案を待っています
  • 2027年の非課税枠を30,846ユーロに下げる案と、2028年の非課税の運用益を1,000ユーロに下げる案は、下院の反対で見直し中です
  • 2028年からは、株式などの金融商品は売却時に、預金は毎年の利息に課税する案が軸になっています
  • 2028年に間に合わせるには、2026年12月31日までに上院で修正法案が可決される必要があります
  • 30%ルーリングの部分的非居住者扱いは2026年分で終わり、2027年分からは日本の資産も含めて申告します
  • NISA は日本で非課税なだけで、オランダでは通常の資産として扱われます
  • どの案になっても、1月1日の残高と取得価額・売買の記録を残すことが最も確実な準備です

参考にした情報源

起点の記事と在住者向け媒体

政府・議会・税務当局

日本の制度・租税条約

専門家の解説・その他

いずれも2026年10月22日に確認したものです。Box 3 の数字は11月から12月にかけての議会審議で変わる可能性が高く、この記事の試算は確定した税額ではありません。申告や資産の判断の前に、税務当局と議会の最新の情報を確認し、必要に応じて税理士に相談してください。


元記事はこちら

The box 3 tax changes: what they are and what they mean for you — DutchNews.nl

よくある質問

Box 3 の非課税枠は2027年に本当に半分になりますか?
まだ決まっていません。政府は2026年9月29日、2027年の非課税枠を1人59,357ユーロ(2026年)から30,846ユーロに下げる案を示しましたが、下院で強い反対を受け、財務大臣は見直すと表明しました。2026年10月22日時点で代わりの案は示されておらず、審議中です。
2028年から Box 3 はどんな仕組みになりますか?
みなし利回りではなく、実際の運用益に36%で課税する仕組みに移る予定です。預金の利息は毎年、株式・債券・ETFや不動産の値上がり益は売却したときに課税する案が出ています。法案は下院を通過済みですが、上院の採決と修正法案(ノヴェレ)の審議が残っており、未成立です。
日本に残した預金や証券口座もオランダで申告が必要ですか?
オランダの税務上の居住者であれば、日本の預金・株式・投資信託・NISA口座の中身も Box 3 の資産として申告の対象です。日本の金融機関はオランダの申告書を作ってくれないため、1月1日時点の残高や取引の記録を自分で保管する必要があります。日本の不動産は二重課税を避ける控除の対象になります。
30%ルーリングがあれば Box 3 は関係ありませんか?
2025年1月1日から、部分的非居住者(partiële buitenlandse belastingplicht)を選ぶ仕組みは廃止されました。2023年最後の給与期間に30%ルーリングが適用されていた人だけが、経過措置で2026年分まで選べます。2027年分からは全員が、国外の資産も含めて Box 3 で申告することになります。
2028年の非課税になる運用益はいくらですか?
下院を通過した法案では1人1,800ユーロですが、政府は9月29日に1,000ユーロへ下げる案を示しました。下院は1,800ユーロに戻すよう求め、財務大臣も応じる姿勢を示しています。最終的な金額は、修正法案の審議で決まります。
今のうちにやっておくべきことは何ですか?
日本とオランダの口座ごとに、1月1日時点の残高、株式や投資信託の取得価額、売買と手数料の記録を年ごとに保存することです。2028年からは銀行の情報が申告書に自動で入らない可能性が高く、自分で運用益を計算する場面が増えます。個別の判断は税理士に相談してください。

出典: DutchNews.nl

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