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オランダ向けサイトにオランダ語は要るか|英語だけで足りる場面と、1ページから足す順番(2026年)

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オランダ向けサイトにオランダ語は要るか|英語だけで足りる場面と、1ページから足す順番(2026年)

オランダは英語が通じる国だと言われます。だからサイトは英語だけでよい、という判断は、半分は正しく、半分は危ういものです。英語を読めることと、英語で探されることは、別の問題だからです。

この記事では、「英語で届く国」という通説を、誰が・どの段階で・どの言語で探すかに分けて確かめます。そのうえで、業種と相手ごとの判断表、検索語の違い、全訳せずにオランダ語のページを足す順番、機械翻訳の扱い、hreflang の最小設定までを順に整理します。

この記事が主に根拠にした資料は次のとおりです。いずれも2026年11月3日に確認しました。

  • EF English Proficiency Index 2025(オランダのページ):英語力の指標で、オランダは123の国・地域のうち1位
  • 欧州委員会(Eurobarometer 2023年調査、2024年5月公表):EU 全体で英語で会話できると答えた人は47%(自己申告)
  • Google Search Central:hreflang の要件、1ページ1言語、機械翻訳の量産に関する方針
  • Algemene wet bestuursrecht 第2:6条(wetten.overheid.nl):行政機関はオランダ語を使うという原則
  • CSA Research(2020年、29か国):母語の情報があるサイトを選ぶ傾向の調査
この記事で分かること 答えの要点
英語だけで足りるか 専門性の高い B2B なら足りることが多い。地域の消費者向けは足りない場面がある
誰がどの言語で探すか 読む力と検索する言語は別。探す入口がオランダ語だと、英語ページは出にくい
何から足すか 問い合わせ、主力サービス、地域ページ、取引条件の順に1ページずつ
機械翻訳 下書きまで。責任に関わる文面は母語話者が確認する
hreflang 対のあるページだけに、自分を含めた全ての版を完全な URL で書く

1. 「英語で届く国」は、どこまで本当か

通説が生まれた理由は、数字を見ればわかります。まず「読める」「話せる」の側から確かめます。

英語力の数字は高い。ただし測っているものを見る

EF の English Proficiency Index 2025 では、オランダは123の国・地域のうち1位で、スコアは624でした。技能別では、読むが634、聞くが628、書くが554、話すが514です。この指数は、EF の英語テストを受けた人の結果から作られます。つまり、自分から英語のテストを受けた人の集まりであり、住民全体を無作為に調べたものではありません。この点は DevNJ の読み方で、EF が示す方法の説明は一部しか確認できていません。

それでも、オランダが英語に強い国のひとつであることは、複数の見方で一致しています。欧州委員会の調査(2023年9〜10月、約27,000人、2024年5月公表)では、EU 全体で英語で会話できると答えた人は47%でした(自己申告)。この平均に比べて、オランダは明らかに高い側にあると考えてよいでしょう。ただし、欧州委員会のこの公表ページには国別の数字がなく、オランダの値そのものは確かめられていません。

「読める」から「英語のサイトで買う」までは遠い

英語が読めることは、英語のサイトで買う、相談する、という行動の十分条件ではありません。ここには3つの段差があります。

段差 内容 英語だけのサイトへの影響
探す 検索窓にどの言語で打つか オランダ語で打つ人には、英語ページが出にくい
信頼する 会社の実在や条件を、母語で確かめたいか 取引条件がオランダ語でないと不安が残る
申し込む フォームや見積の文面を何語で書くか 英語のフォームだと、書くこと自体を避ける人がいる

英語力が直接効くのは読む部分だけで、この3つの段差は英語力だけでは埋まりません。検索の段差は次の章で詳しく見ます。

母語志向の調査は、あるが、オランダ専用ではない

CSA Research が2020年に29か国の8,709人の消費者に行った調査では、76%が母語の情報がある商品を選びたいと答え、40%が他の言語のサイトでは買わないと答えたと発表されています。ただしこれは29か国の合算で、オランダだけの数字ではありません。質問の細かい文言も、原典の全文までは確認できていません。

オランダの消費者について、言語の好みを直接測った最近の公的調査は、確かめた範囲では見つかりませんでした。したがってこの記事では、「オランダ人は必ずオランダ語を好む」とは書きません。数字がないところは、段階ごとの判断と、自分のサイトでの検証で補うという進め方をとります。

探す段階はオランダ語が中心になりやすく、読む段階と申し込む段階は英語でも成り立ちやすい。判断は段階ごとに変わる。 1. 探す 2. 読む 3. 申し込む 言語が分かれる 英語でも通る 相手による 濃い帯は、英語だけだと届きにくい段階
図1:英語力と検索のずれ(DevNJ の整理。調査結果ではありません)

2. 誰が・どの段階で・どの言語で探すか

通説を検証するには、「オランダ人」を一括りにせず、相手を分けます。ここでは4つの段階で、言語がどこで決まるかを見ます。

段階1:見つける(検索・紹介・地図)

見つける段階は、検索窓と地図アプリで起きます。オランダ在住の事業者や消費者は、母語のオランダ語か、日常的に使う英語で打ちます。どちらで打つかは、人と目的で分かれます。たとえば、国際企業の購買担当者は英語で、地域の工務店を探す世帯はオランダ語で、というように、探す側の事情で決まります。

Google は、ページの言語を、ページに見えている本文から判定すると説明しています。html 要素の lang 属性や URL からは判定しません。したがって、英語で書いたページは、英語のページとして扱われます。オランダ語で検索した人には、オランダ語のページが先に並ぶことが多くなります。この並び方の細かい仕組みは公開されていないため、断定はできません。

段階2:確かめる(会社の実在・料金・条件)

見つけたあとは、会社の信頼を確かめます。運営者情報、料金の考え方、取引条件、プライバシーの扱いを見ます。オランダでは、取引条件を algemene voorwaarden(アルヘメーネ・フォールワールデン、一般取引条件)と呼びます。B2B では、英語の条件でも取引は成り立つことが多いと DevNJ は見ています。相手が小さな事業者なら、オランダ語の条件があると安心されやすいでしょう。これは見立てで、調査で確かめた数字ではありません。消費者向けは事情が異なり、次の章で扱います。

段階3:連絡する(フォーム・メール・電話)

連絡の段階では、フォームの項目名と、返信の言語が効きます。英語のフォームでも書ける人は多くいます。ただ、「オランダ語で書いてもよい」と添えるだけで、書き始めやすくなる場面があります。返信はオランダ語で書ける体制がないなら、英語で返すと先に伝えておくほうが誠実です。

段階4:契約する(見積・請求・条件への同意)

契約の段階は、法的な文面が増えます。見積(offerte:オッフェルテ)や請求書(factuur:ファクトゥール)、取引条件、個人データの扱いです。ここは相手が大企業か個人かで、必要な言語が大きく変わります。次の章で、相手別に整理します。

段階 主な接点 言語を決める力が強いもの
見つける 検索、地図、紹介 探す人の使う検索語
確かめる 会社紹介、料金、条件 相手の規模と慣習
連絡する フォーム、メール 返信できる言語
契約する 見積、条件、請求 契約の相手と文書の性質

3. 業種と相手別の判断表

ここまでの整理を、相手別の判断表にします。この表は DevNJ の整理で、法律上の言語要件を示すものではありません。「英語だけ」は、英語のページだけでも商談や申込みが成り立ちやすい、という意味です。

判断表:相手と業種ごとに

相手・業種 英語だけ 最初に足すオランダ語 理由
専門性の高い B2B(部品・ソフトウェア・機械) 足りることが多い 取引条件 担当者が英語の資料を読み慣れ、英語で探す
国際企業・外資系との取引 足りる なし、または取引条件 社内の共通語が英語のことが多い
小さな事業者(ZZP・中小企業)が相手のB2B 迷う 主力サービスと問い合わせ オランダ語で探す人が混じる
消費者向けの通販(B2C) 迷う 商品・返品・条件 条件を母語で確かめたい人がいる
地域のサービス業(美容・飲食・工務店・士業) 足りにくい 地域ページと問い合わせ 「都市名+業種」をオランダ語で探される
在住の外国人向けサービス 足りる 地域ページ 英語で探す人が主な読者
公的機関・自治体・入札 足りにくい 要件の確認から 手続の言語は相手が決める
観光・日本文化の紹介 足りることが多い なし 英語で探す層が中心

この表の「迷う」は、サイトの目的しだいで答えが変わる行です。次の2つの質問で、迷いを減らせます。

  1. 今の顧客は、どの言語で最初の連絡をくれているか
  2. 狙う検索語は、オランダ語と英語のどちらで多く打たれるか

1つ目は、既存のメールと問い合わせの履歴で確かめられます。2つ目は、後の章で扱います。

公的機関との取引は、言語を決めるのが相手側

公的機関との取引は、サイトの言語より、書類の言語が問題になります。Algemene wet bestuursrecht(行政一般法)の第2:6条は、行政機関と、その責任のもとで働く人が、法令に別の定めがない限りオランダ語を使うと定めています。例外として、別の言語のほうが効率的で、第三者の利益を不当に害さないときは、他の言語を使えます(2026年8月15日から有効の版を、2026年11月3日に確認)。

この条文は、行政機関の側の言葉づかいを決めるものです。民間事業者のサイトにオランダ語を義務づけるものではありません。ただ、行政や公的機関と取引する場合は、提出する書類や、手続の言語が相手のルールで決まります。入札の公示は TenderNed で行われます。個別の案件ごとに言語の扱いが書かれているので、案件の文書で確かめてください。

民間のサイトに、オランダ語の一律義務は見つからなかった

DevNJ が確かめた範囲では、オランダの民間事業者のサイトに、オランダ語を一律に義務づける規定は見つかりませんでした。ただし、消費者向けの取引には、契約前に伝える情報の規定など、個別の定めがあります。これは調査が及んでいない範囲を含むため、消費者向けの販売を始める前には、専門家に確認してください。

消費者向けでは、言語について手がかりが2つあります。オランダ政府の事業者向け窓口 business.gov.nl は、通信販売の事業者に、購入前に事業者についての「clear, correct and understandable(明確で、正確で、分かりやすい)」情報を示すよう求めています。ただし、このページは使う言語までは定めていません。また、オランダの消費者・市場庁(ACM)は2022年7月28日に、措置のあとで AliExpress がオランダの消費者向けの取引条件をオランダ語で作り直したと公表しました。これは個別の事例で、一律の義務を示すものではありません。結論は変わらず、一律の義務は見つからなかったが、消費者向けでは条件を分かる言葉で示す圧力がある、という読み方になります。EU 向けの価格・撤回権・GDPR などの全体像は、日本企業が欧州向けサイトを作るときの12項目にまとめています。

4. 検索語の違い:オランダ語と英語

英語力の話から、検索の話に移ります。同じ仕事を探していても、言語が変わると、使う言葉も、探し方も変わります。

同じ需要でも、言葉の形が違う

次の表は、同じ仕事を探す人が、言語ごとにどんな形で打つかの例です。検索回数ではなく、言葉の形の例です。実際の回数は、Search Console や検索語のツールで確かめてください。

需要 オランダ語の例 英語の例
サイトを作る website laten maken website development Netherlands
地域の制作会社 webdesigner Den Haag web designer The Hague
見積を取る offerte aanvragen request a quote
料金を知る wat kost een website website cost
事業者の信頼 KVK-nummer, btw-nummer company registration

オランダ語の例は、「作ってもらう」という動詞(laten maken)や、「都市名」を含む形が多くなります。英語の例は、「Netherlands」のような国名を含む形が目立ちます。これは探す人の立場の違いを表しています。国内で探す人は都市名を、海外から探す人は国名を打つ、という傾向があると DevNJ は見ています(調査で確かめた数字ではありません)。

英語のページだけだと、起きること

英語のページは、英語の検索語に対して並びます。オランダ語の検索語に対しては、オランダ語のページに比べて不利になることが多いと考えられます。ただし、これは検索結果の細部の仕組みで、Google は詳しく公開していません。自分のサイトで、実際の表示を確かめるのが確実です。

確かめ方は次のとおりです。

  1. Search Console の検索パフォーマンスで、国をオランダに絞る
  2. 検索語を、オランダ語と英語に手作業で分けて、表示回数を見る
  3. 英語ページに入ってくる検索語の中に、オランダ語が混ざっていないか見る
  4. 混ざっていれば、その検索語に対応するオランダ語ページが候補になる

この方法は、まず無料の道具だけでできます。サイトの表示回数がまだ少ないときは、検索語の数が足りず、判断できないこともあります。その場合は、既存の問い合わせの言語から決めてください。

英語の検索語にも、強みがある

英語の検索語は、国をまたいで探す人にも届きます。オランダに拠点がある日本の事業者が、日本から問い合わせを受ける場合や、欧州の他の国の相手を狙う場合は、英語のページがむしろ主役です。オランダ語を足すことは、英語のページを弱めることではありません。

向き 英語の強み オランダ語の強み
国をまたぐ検索 国をまたいで届く 届きにくい
オランダ国内の地域検索 弱いことがある 地域の語と合う
専門用語の検索 業界の共通語 業界による
信頼の確認 国際取引で足りる 国内の小さな相手に効く

5. 英語だけで足りる場面

ここからは、判断表を場面ごとに掘り下げます。まず、英語だけで足りる場面です。

専門性の高い B2B

部品、ソフトウェア、機械、研究機器のように、専門性が高く、買い手が国際的な調達をしている分野は、英語だけで成り立つことが多くあります。担当者が英語の資料を読み慣れ、英語の検索語で探すからです。この場合、オランダ語を足す前に、英語の情報を濃くするほうが効果的です。仕様、導入事例(実在のもの)、納期、サポート体制を英語で具体的に書きます。

在住の外国人が読者の場合

オランダには、英語で暮らす外国人が多くいます。この人たちを相手にするサービスは、英語のページが主役です。たとえば、住まい探しの支援、各種手続の代行、語学、医療の案内などです。オランダ語を足すのは、地域の名前を含む検索や、オランダ語の書類の説明が必要なときです。

日本とのつながりを売りにする場合

日本の文化、食、デザイン、観光の紹介は、英語のページで国際的に届きます。オランダ語を足す必要は、現地の店舗や教室の宣伝を始めたときに生じます。

場面 英語だけで始める条件 見直すきっかけ
専門 B2B 英語で問い合わせが来ている オランダ語の問い合わせが増えた
外国人向けサービス 英語の検索で見つかる 地域名のオランダ語検索が出てきた
日本文化の紹介 相手が国際的 地元の店舗を始めた

6. オランダ語が要る場面

次に、英語だけでは足りにくい場面です。

地域のサービス業

美容院、飲食店、工務店、士業、教室のように、地域で完結するサービスは、オランダ語の検索に出る必要があります。検索語は「都市名+業種」の形になりやすく、地図の検索結果にも出ます。店舗のない ZZP が、住所を出さずに地域検索に出る方法は、オランダで Google ビジネスプロフィールを整えるで整理しています。

小さな事業者相手の B2B

ZZP(個人事業主)や中小企業を相手にする B2B は、英語だけで足りるか迷う領域です。相手の事業者は英語を読めますが、オランダ語の取引条件と見積のほうが安心されやすいと DevNJ は見ています。サイトの主力ページと問い合わせをオランダ語にしておくと、探す段階と連絡する段階の両方で、障壁が下がります。ZZP 向けのサイトの確認項目は、ZZP のためのサイトチェックリストに書いています。

消費者向けの通販

消費者に商品を売るなら、返品、配送、支払い、個人データの扱いの説明は、母語で確かめたい人が多い部分です。CSA Research の調査も、母語の情報があるサイトを選ぶ傾向を示しています(29か国の合算)。商品説明を全てオランダ語にする前に、返品と条件のページから足すのが順序です。

公的機関・大企業の調達

公的機関との取引は、案件の文書の言語に従います。大企業は、社内規程で言語が決まっていることもあります。受注の前に、相手の調達担当に、提出書類の言語を確認してください。

場面 先にオランダ語にする部分 理由
地域サービス業 地域ページ、問い合わせ 都市名の検索に出るため
小さな事業者相手の B2B 主力サービス、条件 取引条件に慣れた相手が多い
消費者向け通販 返品、配送、条件 責任に関わる説明を母語で確かめたい
公的機関・調達 案件ごとに確認 相手が言語を決める

7. 全訳しない:1ページから足す順番

ここからが、実際にオランダ語を足す手順です。ポイントは、全部を訳さないことです。ページを増やすほど、更新の手間は言語の数だけ増えます。まず、一番効果が見えやすいページから始めます。

足す順番は4段階

順番 足すページ 効く段階 理由
1 問い合わせ 連絡する 書き始めやすくなる
2 主力サービス1つ 見つける・確かめる 検索に出る入口になる
3 地域ページ 見つける 都市名の検索に合う
4 取引条件 確かめる・契約する 責任に関わる文面を母語で出す

順番は、事業に合わせて入れ替えて構いません。地域のサービス業なら、地域ページを先にします。B2B で契約の文書が重いなら、取引条件を先にします。

問い合わせ、主力サービス、地域ページ、取引条件の順に、オランダ語のページを1つずつ足す。 1. 連絡 問い合わせ 2. 入口 主力サービス 3. 地域 都市名のページ 4. 条件 取引条件 事業によって順番は入れ替える
図2:オランダ語を足す順番(DevNJ の整理。事業によって入れ替えてください)

段階ごとに、何を見て次へ進むか

各段階のあとに、次の指標を見て、次へ進むかを決めます。数値の目標は置きません。サイトごとに規模が違い、一律の基準は作れないためです。

段階 見るもの 次へ進む目安
1. 問い合わせ オランダ語で届く連絡の有無 連絡が1件でも来たか、または来る見込みがあるか
2. 主力サービス Search Console の表示回数と検索語 オランダ語の検索語が出始めたか
3. 地域ページ 地域名つきの検索語での表示 地域名の検索で表示されたか
4. 取引条件 契約前の質問の数 条件への質問が減ったか

問い合わせを1番目に置くのは、手間が最も小さく、すでに来ている人の障壁を下げられるからです。検索の入口は、2番目と3番目で作ります。

数字が出るまでに時間がかかる場合があります。表示の変化は、数週間から数か月かけて見ます。短い期間で判断しないでください。

英語ページとの関係:重複させない

オランダ語ページは、英語ページの逐語訳である必要はありません。オランダ語の読み手が知りたいことを、先に書くほうが効果的です。たとえば地域ページなら、対応地域、訪問や打合せの方法、地元での実績(実在のもの)を、オランダ語で具体的に書きます。英語のページは、国際的な相手に向けた説明を中心にします。

8. 足すページの中身:地域・サービス・問い合わせ・取引条件

順番を決めたら、各ページに何を書くかを決めます。

問い合わせ:項目名と返信の約束

問い合わせフォームは、項目名と注意書きをオランダ語にします。返信の言語と、返信までの目安を、フォームの近くに書きます。

項目 オランダ語の例 意味
名前 Naam 名前
メールアドレス E-mailadres 連絡先
用件 Waar kunnen we mee helpen? ご用件
送信 Verstuur 送る
返信の目安 We reageren binnen 2 werkdagen. 営業日2日以内に返信

返信の目安は、実際に守れる日数を書いてください。ここでは例として2営業日を使いましたが、自社の体制に合わせます。

主力サービス:1つを最後まで

サービスのページは、全部ではなく、最も依頼を受けたいサービスを1つだけ、オランダ語で最後まで書きます。内容は、誰向けか、何をするか、進め方、期間の考え方、よくある質問です。料金は、書ける範囲で考え方を書き、書けない場合は「個別に見積」と書いて、見積の依頼に進める導線を置きます。

地域ページ:地名を並べるだけにしない

地域ページは、都市名を書き込んだだけの薄いページにすると、価値の乏しいページとして扱われるおそれがあります。Google のスパム対策の方針は、価値の乏しいページを大量に作ることを、作り方を問わず問題にしています。地域ページは、その地域でしか書けないことを入れます。

  • 対応できる範囲と、訪問の方法
  • その地域の顧客からよく聞く質問
  • 実在する実績と、許可を得た範囲での紹介
  • 地図や所在の案内(住所を出さない場合は対応エリアの記述)

取引条件:訳す前に、中身を決める

取引条件は、翻訳より前に中身を決めます。オランダの取引条件は、契約の準拠法、支払期限、解約、責任の範囲を含みます。これは法律の領域なので、オランダ語の条件は、現地の専門家に確認してもらうのが安全です。条件の言語が複数あるときは、どの言語が優先するかを条件の中に書きます。

ページ 書くこと 確認する人
問い合わせ 項目名、返信の言語と目安 運営者
主力サービス 対象、内容、進め方、FAQ 運営者と母語話者
地域ページ 対応範囲、実績、質問 運営者と母語話者
取引条件 支払い、解約、責任、優先言語 現地の専門家

9. 機械翻訳の扱い

オランダ語を足すときに、よくある失敗は、機械翻訳をそのまま公開することです。翻訳の自動化の設計は、二言語サイトの翻訳と更新の自動化に詳しくまとめているので、ここでは判断に絞ります。

使える範囲と、使えない範囲

文面の種類 機械翻訳の扱い 理由
ブログ・読み物 下書きとして使い、読み手が確認 誤訳の影響が小さい
サービス説明 下書き+母語話者の確認 信頼に関わる
問い合わせの注意書き 母語話者の確認が必要 行動を左右する
取引条件・価格・個人データ 専門家の確認が必要 責任に関わる

機械翻訳そのものが禁じられているわけではありません。Google のスパム対策の方針は、機械翻訳を、価値の乏しい自動変換の例としてあげています。問題になるのは、価値の薄いページを大量に出すことです。少数のページを丁寧に確認して出すなら、方針が問題にする量産にはあたりにくいでしょう。

母語話者の確認は、最小で足りる

母語話者の確認は、全ページでなくても構いません。最初の4ページと、責任に関わる文面だけに絞ります。確認の観点は、次の3つです。

  1. 意味が通じるか(誤訳がないか)
  2. 業界の言葉づかいが合っているか
  3. 失礼に聞こえる、または硬すぎる表現がないか

この確認を入れるだけで、オランダ語ページの読み手の違和感を減らせます。確認者が見つからないときは、オランダ語のページを足さずに、英語のページを濃くするほうが安全です。

部分的に翻訳したページは作らない

Google は、1つのページに1つの言語を使うよう勧めています。ナビゲーションだけをオランダ語にして、本文は英語のまま、という作りは避けます。足すなら、本文ごとオランダ語のページとして、別の URL で用意します。

10. URL と hreflang の最小設定

ページを足したら、検索エンジンに「同じ内容の別言語版がある」と伝えます。

URL の構成

Google は、国別ドメイン(example.nl のような形)と、サブディレクトリ(example.com/nl/ のような形)を、どちらも紹介しています。国別ドメインは対象国がはっきりしますが、費用や運用の手間が増えます。サブディレクトリは設定が簡単で、保守が楽です。小さく始めるなら、サブディレクトリが現実的です。

英語版は全てのページがあり、オランダ語版は最初は問い合わせ、サービス、地域、取引条件の4種類だけを用意する。 英語 オランダ語 トップ 問い合わせ 主力サービス 地域ページ 取引条件 その他のサービス ブログ 点線は、最初は作らないページ
図3:最初に用意するページの範囲(DevNJ の整理。トップを足すかは事業によって決めます)

トップページをオランダ語にするかは、迷いやすい点です。トップは入口として強く、足せば効果は見えやすい一方、更新の対象も増えます。最初の4ページを足し終えて、反応が見えてからで遅くありません。

hreflang の最小設定

hreflang は、同じ内容の別言語版があることを、検索エンジンに伝える仕組みです。Google の案内に沿った最小の要件は次のとおりです。

要件 内容
自分も含めて全て列挙 各ページが、自分自身と全ての版を並べる
相互に指し合う A が B を指すなら、B も A を指す。片方だけだと無視されることがある
完全な URL https から始まる形で書く。相対 URL は使わない
言語コード ISO 639-1(nl、en)。地域を付けるなら ISO 3166-1 Alpha 2 を続ける
x-default どの言語にも当てはまらない人の行き先。言語の選択ページなどを指す

オランダ語と英語のページの対には、次のように書きます。

<link rel="alternate" hreflang="nl" href="https://example.com/nl/contact" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/contact" />
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/en/contact" />

対のあるページにだけ付けます。オランダ語版のないページには、hreflang を付けません。これは DevNJ の読み方で、Google の案内が求める条件(対になる版が互いに指し合う)から導いたものです。

自動リダイレクトはしない

Google は、ブラウザの言語設定などから推測して、自動で別の言語のページに転送することを避け、切り替えのリンクで選ばせるよう勧めています。検索エンジンのクローラーが、一部の版を見られなくなるおそれがあるからです。ページの上部に、「Nederlands」「English」の切り替えを置く程度で足ります。

11. 費用と工数の考え方

この章では金額ではなく、費用の決まり方を整理します。

費用が決まる要素

要素 増える理由 抑える方法
ページ数 翻訳・確認・更新が比例して増える 最初は4ページに絞る
確認者 母語話者や専門家への依頼が必要 責任に関わる文面だけに限る
更新の頻度 言語の数だけ更新が必要 頻繁に変わる情報を載せない
仕組み 言語切り替え・hreflang の実装 テンプレートで自動生成する
取引条件 現地の専門家の確認 英語版で固まってから訳す

見積を比べるときは、ページ数だけでなく、更新するときの手間も聞いてください。翻訳が一度で終わらないのは、価格・条件・サービス内容が変わるたびに、全言語を直す必要があるからです。

判断の分かれ目:やめる基準も決めておく

足したページが反応しなかったときの基準も、先に決めておくとよいでしょう。たとえば「3か月見て、オランダ語の検索語の表示がなければ、そのページを見直す」のような形です。数値は事業によって変わるので、ここでは目安を置きません。

12. つまずきやすいところ

つまずき 起きること 対処
全ページを一度に訳す 更新が追いつかず、古い文面が残る 4ページから始める
機械翻訳をそのまま公開 誤訳が信頼を落とす 母語話者が確認する
本文は英語で、ナビだけオランダ語 言語が混在して評価されにくい 本文ごと別ページにする
hreflang を片方にしか付けない 無視されることがある 相互に指し合う
ブラウザの言語で自動転送 一部の版を見られなくなる 切り替えリンクで選ばせる
条件を訳しただけで出す 準拠法や責任の扱いが合わない 現地の専門家に確認する
言語ごとに内容が食い違う 価格や条件の食い違いが起きる 更新の担当を決める

13. やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
検索回数を確かめずに、オランダ語が必須と決める 英語で足りる事業に、無駄な更新を持ち込む
地域名だけ差し替えた薄いページを量産する 価値の乏しいページとして扱われるおそれがある
取引条件を機械翻訳で出す 責任の範囲が変わりうる
実在しない実績や顧客の声を、オランダ語で足す 信頼を損ね、消費者向けの表示規制にも触れうる
言語を混ぜたページを作る 1ページ1言語が望ましい

14. チェックリスト

  • 最近の問い合わせの言語を数えた
  • Search Console で国をオランダに絞り、オランダ語の検索語が出ているか見た
  • 相手と段階ごとに、判断表で英語だけかを決めた
  • 足すページを、問い合わせ・主力サービス・地域・取引条件の順で決めた
  • オランダ語の確認者(母語話者)を決めた
  • 取引条件は現地の専門家に確認する段取りを入れた
  • 1ページ1言語で、別の URL にした
  • hreflang を、対のあるページに相互に付けた
  • 自動リダイレクトを使わず、切り替えリンクを置いた
  • 数週間から数か月後に見直す日を決めた

15. まとめ

  • 「英語で届く国」は、読む力については正しい。探す段階では言語が分かれる
  • 英語だけで足りるかは、相手・業種・段階で決まる。専門 B2B と外国人向けは英語中心、地域サービス業はオランダ語が効く
  • 検索語は、言語で形が変わる。国内は都市名、海外から探す人は国名が多い
  • 全訳はしない。問い合わせ、主力サービス、地域、取引条件の順に1ページずつ足す
  • 機械翻訳は下書きまで。責任に関わる文面は母語話者と専門家が確認する
  • hreflang は、対のあるページに、相互に、完全な URL で付ける。自動転送はしない
  • 数字がない部分は、自分のサイトの Search Console と問い合わせで確かめる

オランダ語のページを足すべきか、どのページから始めるかで迷ったら、事業の相手と目的を整理するところから一緒に考えられます。進め方はサービス、相談はお問い合わせから、状況を書いて送ってください。

参考にした情報源

英語力・言語の調査

法令・公的機関

検索・多言語の指針(Google・W3C)

関連する別記事

いずれも2026年11月3日に確認したものです。制度や指標は変わるため、判断の前に各ページで最新の内容を確認してください。この記事は法的助言ではありません。EF の指数の方法の説明と、欧州委員会の調査のオランダの値、CSA Research の原典の全文は確認できていません。オランダ語と英語の検索語の例は DevNJ が示した言葉の形で、検索回数ではありません。図1〜3は DevNJ が作成したものです。

よくある質問

オランダで事業をするなら、サイトはオランダ語が必須ですか?
確かめた範囲では、民間事業者のサイトにオランダ語を一律に義務づける規定は見つかりませんでした。必要かどうかは、相手と段階で決まります。専門性の高い B2B は英語だけで成り立つことが多く、地域の消費者向けは、オランダ語の主要ページがあるほうが探されやすくなります。
オランダは英語が通じる国なので、英語だけのサイトで足りますか?
読む力の面では足りる場面が多くあります。EF の2025年の指標でオランダは123の国・地域の1位でした。ただし、これは英語を読めるかの話です。探すときにオランダ語で検索する人には、英語だけのページは検索結果に出にくく、届くかどうかは別の問題です。
オランダ語のページは、全ページを翻訳する必要がありますか?
ありません。問い合わせ、主力サービス、地域ページ、取引条件の順に、オランダ語の1ページずつを足す進め方が現実的です。反応を見てから増やせば、更新の手間も抑えられます。足したページだけに hreflang を付け、対のないページには付けません。
機械翻訳のオランダ語をそのまま公開してもよいですか?
読み物の補助としては使えますが、価格・取引条件・個人データの扱いなど責任に関わる文面は、オランダ語の母語話者が確認してから出してください。Google の方針も、価値の薄い機械翻訳ページの量産をスパムとして扱っています。少数の確認済みページに絞るのが安全です。
hreflang は最低限どう書けばよいですか?
オランダ語と英語の対があるページに、自分自身を含めた全ての版を https から始まる完全な URL で並べます。言語コードは nl と en で足ります。相互に指し合うことが条件で、片方だけでは無視されることがあります。自動リダイレクトはせず、切り替えリンクで選ばせます。

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