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お客様の声・口コミを載せるルール|オランダの ACM・Omnibus・GDPR(2026年)

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お客様の声・口コミを載せるルール|オランダの ACM・Omnibus・GDPR(2026年)

サイトを作り直すとき、多くの事業者が「お客様の声を載せたい」と考えます。ところが、載せ方には思った以上にルールがあります。EU は2022年5月から、偽の口コミを「どんな場合でも」禁じ、口コミを見せる事業者に「本物かをどう確かめているか」の開示を求めています。

この記事は、オランダで事業を営む人、またはオランダ・欧州向けのサイトを考える日本の事業者に向けて、自社サイトのお客様の声と、Google・Trustpilot・Kiyoh など外部レビューの表示について、できることとできないことを整理したものです。EU の指令、オランダ民法、ACM(消費者・市場庁)の案内、GDPR(一般データ保護規則)に当たって確かめています。

指令、法令、ACM・KVK・AP(個人情報保護庁)、Google・Trustpilot・Kiyoh の公開ページを2026年11月3日に確かめて書きました。一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の案件は、弁護士や ACM の窓口で確かめてください。この記事には、実在の顧客の声も、架空の顧客の声も載せていません。

主に根拠にした公的情報 何を確かめたか
指令(EU)2019/2161(Omnibus 指令) 口コミの確認方法の開示、偽レビューの禁止(付属書Ⅰの23b・23c)
オランダ民法 第6編 193a〜193g条、194条 「product」に役務が含まれること、口コミの開示義務、禁止行為、事業者間の誤認広告
ACM の案内とオンライン消費者保護の指針(2024年5月版) 口コミ・お客様の声・埋め込みレビューの具体的な義務と例
KVK の口コミの規則のページ(2026年3月3日更新) レビューポリシーに書く項目、削除の理由、罰金の目安
AP のページ(GDPR の同意)、GDPR 第7条・第17条、著作権法21条 同意の4条件、記録、撤回、削除、肖像
Google・Trustpilot・Kiyoh の規約・案内 依頼の仕方の制限、削除、構造化データの扱い
この記事で分かること 答えの要点
何が規制されているか 偽レビューの禁止と、確認方法の開示(第1・2章)
本物かをどう確かめるか 案件の記録との照合など、小さな会社でもできる方法(第3章)
方法をどう開示するか 口コミを出す場所で、短く分かりやすく(第4章)
偽レビューの売買 売る側も買う側も対象。委託先にも責任が及ぶ(第5章)
低評価を外す表示 選び方と並べ方も問われる(第6章)
謝礼・依頼の仕方 謝礼は明示。選別して依頼するのは不可(第7章)
外部レビューの表示 埋め込みも対象。Google は構造化データに制限(第8章)
名前と写真 同意・記録・撤回・削除(第9章)
問い合わせを減らさない見せ方 開示を信頼の材料にする(第10章)

1. 口コミと「お客様の声」は、何が違い、何が同じか

サイトに載せる「他人の評価」には、いくつかの種類があります。星の数、顧客が書いた文章、お礼のメール、インタビュー、事例紹介、外部サイトの埋め込み、SNS の投稿などです。ルールの面では、これらを同じ「口コミ」の仲間として扱う場面と、別物として扱う場面があります。

ここで押さえたいのは、ACM の案内が、お客様の声とインフルエンサーの評価にも口コミと同じ規則が及ぶとしていることです。「うちのは口コミではなく、お客様の声だから関係ない」とは言えません。

ACM が示す対象の広さ

ACM の「オンライン消費者保護の指針」(2024年5月版)の第4章は、規則が及ぶ範囲を次のように書いています。口コミを自社で載せる場合に加え、インフルエンサーの評価やお客様の声を見せる場合、他の会社に口コミを集めさせる場合、他のサイトから自分のサイトやアプリに口コミを埋め込む場合です。

つまり、誰が集めたか、どこに表示するかにかかわらず、自分のサイトの上に消費者の評価を見せるなら、見せる側が責任を負う、という整理です。

4種類を比べる

次の表は、サイトに出る評価の種類ごとに、何が問題になるかを並べたものです。種類の分け方は筆者の整理で、規則の中身は各行に示した根拠によります。

種類 例 主な論点 根拠
自社の口コミ欄 購入者が星と文章を投稿 本物か、確認方法の開示 ACM 指針 4.1
お客様の声 顧客の文章を選んで掲載 本物か、選別の仕方、同意 ACM 指針 4.1、GDPR
外部レビューの埋め込み Google・Trustpilot・Kiyoh の星 埋め込みも対象、共同の責任 ACM 指針 4.1
事例紹介 自社が書いた導入事例 広告としての表示、事実の正確さ 民法 6:193c、6:194

この表から言えるのは、自社で文章を書く事例紹介だけは、口コミとは別の「広告」として扱う余地がある、ということです。その場合でも、事実と違う内容や、実在しない顧客の事例は、誤認を招く表示にあたります。

事例紹介を「口コミ」と呼ばない

事例紹介は、事業者が書いた説明です。顧客の評価として見せたいなら、顧客自身の言葉であること、顧客が内容を確かめたことが必要です。事業者が書いた文章を、顧客の声のように見せると、誰の評価かを偽ることになります。

実務では、事例紹介と顧客の声を別の見出しで分け、それぞれ何であるかを一言で示すと安全です。たとえば「制作会社が書いた事例」と「顧客から届いた言葉」と、見出しの時点で分けます。

この記事の4つの問い

ここまでの内容を、載せる前の点検の順番として図1にまとめます。以降の章は、この4つの問いを順に詳しく見ます。

口コミを載せる前に、本物か、確かめたか、開示したか、全部見せているか、の順に確認する。 1. 本物か 実際の顧客 2. 確かめた 記録と照合 3. 開示した 方法を明記 4. 全部出す 選別しない 1つでも欠けたら、載せる前に直す
図1:口コミを載せる前の4つの問い(出典:ACM の指針 第4章の整理、2026年11月3日確認)

図の4つのうち、最も見落とされるのは3番目です。措置を取っていても、それを伝えていなければ、ACM の案内では義務を果たしたことになりません。

2. 法の地図:指令、民法、ACM、GDPR が決めていること

口コミのルールは、1つの法律にまとまっていません。EU の指令を土台に、オランダ民法が国内の義務にし、ACM が運用の考え方を示し、顧客の名前や写真の部分は GDPR が受け持ちます。この章で全体の地図を描き、以降の章はその一部を詳しく見ます。

導入として、日付の流れを図2で見ておきます。指令の採択から、オランダでの適用、ACM の動きまでを並べました。

2019年11月27日に Omnibus 指令を採択、2021年11月28日が加盟国の国内法の期限、2022年5月28日にオランダで適用開始、2024年5月に ACM の指針の最新版、2024年8月22日に ACM が偽レビューの売り手の調査を発表。 2019.11 Omnibus 指令を採択 EU 2019/2161(11月27日付) 2021.11 国内法の公表期限 加盟国は11月28日までに 2022.05 オランダで適用開始 5月28日。ACM は前日に周知 2024.05 ACM 指針の2024年5月版 第4章が口コミと推薦 2024.08 偽レビューの売り手を調査 8月22日。ACM が発表
図2:口コミ規制の経過(出典:指令(EU)2019/2161(EUR-Lex)、条文の転載、ACM、ACM、2026年11月3日確認)

図が言っているのは、これが新しい話ではない、ということです。適用開始から4年以上が経ち、ACM は買う側だけでなく売る側の取り締まりにも動いています。

Omnibus 指令(EU)2019/2161 が足したもの

正式名は、2019年11月27日の欧州議会・理事会の指令(EU)2019/2161です。消費者契約に関する既存の指令(93/13/EEC、98/6/EC、2005/29/EC、2011/83/EU)を改める指令で、一般に Omnibus 指令(現代化指令)と呼ばれます。

口コミに関して足されたのは、2つです。1つは、不公正な取引方法の指令(2005/29/EC)の第7条に加えられた第6項で、消費者の口コミへのアクセスを提供する事業者に、公開された口コミが、その商品を実際に使ったか買った消費者から出ていることを、確保しているか、確保しているならどう確保しているかの情報を、重要な情報として扱うというものです。もう1つは、付属書Ⅰ(どんな場合でも不公正とされる行為のリスト)への23b・23cの追加です。

加盟国は、2021年11月28日までに国内の措置を採択・公表し、2022年5月28日から適用することとされました。

オランダ民法への落とし込み

オランダ民法 第6編では、193a〜193j条が不公正な取引方法を扱います。口コミに関係する条文は次の3つです。

条文 内容 指令との対応
6:193e 第3項 口コミへのアクセスを提供する事業者は、公開された口コミが商品を実際に使った・買った消費者から出ていることを、どう確保しているかの情報が「essentieel(本質的)」 指令 第7条第6項
6:193g 第z号 商品の口コミが実際の購入者・利用者から出ていると述べながら、確認のための合理的で均衡のとれた措置を取っていない 付属書Ⅰ 23b
6:193g 第aa号 偽の口コミや推薦を載せる、載せさせる、口コミを誤認させる形で見せる 付属書Ⅰ 23c

193g条は、並ぶ行為を「onder alle omstandigheden misleidend(どんな場合でも誤認を招く)」と定めています。ほかの要素を考えて個別に判断する余地がなく、該当すれば違法、という位置づけです。

また193a条は、「product」を物と役務(サービス)の両方、デジタルサービスを含めて定義しています。コンサルティングや制作などの役務も対象です。

事業者間(B2B)のときは

193条以下は「消費者」を相手にする取引方法の規律です。相手が事業者だけのサービスの場合、消費者向けの開示義務の条文は、そのままは当てはまらない可能性があります。ただし、オランダ民法194条第1項は、事業者に向けた誤認を招く告知を禁じ、その例として「第三者が出した評価・推薦状・声明」に関する誤認を挙げています(第f号)。

つまり消費者向けか事業者向けかにかかわらず、実在しない声や事実に反する評価を載せることはできません。この記事では、消費者向けの規則を軸にしつつ、事業者向けのサービスでも同じ水準で運用することを勧めます。これは筆者の整理です。

ACM の指針と KVK の案内

ACM はこれらの条文の運用を「オンライン消費者保護の指針」(Leidraad Bescherming Online Consument)で説明しています。KVK(商工会議所)も、事業者向けに口コミの規則をまとめています。条文より読みやすく、本記事の第3〜7章はこの2つを軸にしています。

罰金について、ACM は2024年8月の発表で、1回の違反につき最大90万ユーロを科せると述べています。KVK は、罰金は1回の違反につき最大90万ユーロで、同じ誤りを繰り返した場合も年間売上高の10%が上限、と案内しています(2026年3月3日更新)。

3. 本物の購入者かをどう確かめるか

法が求めるのは、「実際に使った・買った人の口コミだ」と言うなら、そのために合理的で均衡のとれた措置を取ることです。何をすれば足りるかは、条文に1つの正解として書かれていません。ACM の案内が、考え方と例を示しています。

この章では、ACM が挙げる例を土台に、小さな会社でも実行できる形へ落とします。後半の表は筆者の整理であり、ACM が「これで十分」と認めた一覧ではありません。

ACM が挙げる措置の例

ACM の指針は、措置を技術的・組織的・法的なものに分けて考えるよう求めています。例として挙がるのは、口コミを投稿する前の登録の義務、不審なパターンを見つける自動検知、口コミに関する苦情の窓口、投稿の明確な規則と、違反時の実効的な対応です。

大きなプラットフォームを想定した例ですが、考え方は小さな事業者にも当てはまります。誰が書けるかを限定し、不自然なものを見つけ、疑いが出たら動くという3点です。

小さな会社でできる確認の方法

数十件の口コミを扱う事業者が、自動検知のシステムを持つ必要はありません。次の表は、投稿者を実際の取引と結びつける方法を並べたものです。

方法 確かめられること 限界
請求・契約の記録と照合 実際に取引した顧客であること 本人が書いたかは別に確かめる
契約済みの顧客だけに依頼 取引のない人が書けない 招待リンクの転送が起こりうる
顧客アカウントでの投稿 ログインした購入者だけが書ける アカウントの作りやすさに依存
外部サービスの招待機能 サービス側が購入者に限定している場合がある 各サービスの規約を確かめる
不審なパターンの点検 短期間の大量投稿、同じ文章を見つけられる 見つけた後の対応が要る
通報窓口 第三者が疑いを知らせられる 窓口を周知する必要がある

表の中で最も導入しやすいのは、案件の記録との照合です。顧客の名前、契約日、納品日が記録にあれば、その顧客から届いた声を、記録と突き合わせるだけで「取引した人だ」と言えます。

照合の記録を残す

確認したことを後から示せないと、「措置を取っていた」と言いにくくなります。口コミを載せるたびに、いつ、誰の、どの案件の声か、どう確かめたかを短く残します。個人情報になる部分は、保管の期間と場所も決めておきます。

確認できない声は載せない

照合できない声は、載せないのが安全です。取引のない人の「応援の言葉」や、SNS で見かけた好意的な投稿を、お客様の声の欄に混ぜてはいけません。ACM の指針は、口コミを、消費者が意図した商品や会社とは別のものに結びつけて見せることも、してはならないとしています。

4. 確認方法を、口コミのそばでどう開示するか

確認の措置を取るだけでは足りません。ACM の案内は、措置を取っていること、その内容を、消費者に伝えることを事業者に求めています。見せる側が「これは本物の購入者の声です」という印象を与えるなら、その確認方法の説明は義務だ、という整理です。

開示は、利用規約の奥ではなく、口コミを見せる場所に置きます。ACM の指針は、情報が「明確で、分かりやすく、口コミを見せる場所で利用できる」ことを求めています。

何を書くか

ACM と KVK の案内を合わせると、開示に入れる項目は次のとおりです。

項目 書く内容 根拠
掲載の対象 顧客から届いたものだけを載せる KVK
確認の方法 請求の記録と照合する、契約済みの顧客だけに依頼する、など ACM、KVK
出どころ 自社で集めたか、外部サービスからか ACM
謝礼の有無 報酬や無料提供があったか ACM
点数の計算 平均の対象期間と、計算の方法 ACM、KVK
加工と削除 内容を直す、載せない場合の基準 KVK

この表のうち、謝礼の有無は、ない場合も「謝礼は渡していません」と書いておくと、読み手が迷いません。

置く場所と長さ

口コミ欄の見出しの近くに、2〜3行の説明と、詳しい方針への小さなリンクを置く形が、読む側の負担になりません。長い規則を口コミの上に並べる必要はありません。

文例の型を示します。これは文面の型であり、顧客の声ではありません。

掲載しているのは、当社と契約したお客様から届いた言葉です。契約・請求の記録と照合し、取引のない方の声は載せていません。謝礼は渡していません。誤字の修正以外、内容は変えていません。掲載するのは、同意をいただいた全てのお客様のうち、直近1年にいただいたものです。掲載の方針は、このページの下に書いています。

文面は、自社の実際の運用に合わせて書き換えてください。やっていないことを書くと、それ自体が誤認になります。

点数を出すなら

星の平均を出す場合は、どの期間の何件かを書きます。ACM の案内は、点数をどう計算しているかを分かるようにすることを求めています。件数が少ないうちは、平均より個別の声のほうが誠実に伝わります。

5. 偽レビューと、その売買の禁止

偽のレビューは、禁止リストの上にあります。民法193g条の第aa号は、偽の口コミや推薦を載せること、他人に載せさせることを、どんな場合でも誤認を招くものとして禁じます。ACM は、レビューだけでなく、いいね、再生数、フォロワーも対象だと案内しています。

この章では、何が「偽」にあたるかと、ACM が実際にどこまで見ているかを確かめます。

偽にあたる行為

次の表は、実務で起きやすい行為を、可否の観点で並べたものです。

行為 可否 理由
顧客のふりをして自社の口コミを投稿する 不可 偽の口コミ(6:193g aa)
実在しない人物の声を作る 不可 ACM 指針の例が同じ形
知人・親族に頼んで好意的な口コミを書いてもらう 不可と考えるのが安全 実際の購入者の経験でない場合
口コミを金銭で買う 不可 偽の口コミを載せさせる行為
生成 AI で口コミ風の文章を作って載せる 不可 実在の経験ではない
本物の顧客の声の誤字を直す 可 内容を変えない場合
本物の顧客の声を、別の商品のページに載せる 不可 結びつけ先が違う

表のうち「知人・親族に頼む」と「生成 AI で口コミ風の文章を作る」の2行は、指針に直接の記述がなく、偽の口コミの定義への筆者の当てはめです。

表の中で意外に見落とされるのは、最後の行です。ACM の指針は、口コミを消費者が意図したのとは別の商品や会社に結びつけてはならない、としています。

ACM の例:実在しない消費者の引用

ACM の指針には、化粧品の会社が、ホームページに満足した消費者の引用と星4〜5を載せていたものの、実際には商品を買った人の経験ではなかった、という例があります。ACM はこれを、誤認を招く行為で認められないと述べます。

この例が教えるのは、星と引用が付いた「お客様の声」風の見せ方自体が、本物であることを約束するものとして扱われる、ということです。デザイン上の見本のつもりで置いた文面でも、公開サイトでは同じ扱いになりえます。

売る側も取り締まりの対象に

ACM は2024年8月22日に、偽レビューを売る事業者と、それを使うウェブショップの双方に対応すると発表しました。売る側の調査を始めたと述べています。これは、以前に偽レビューを買って使っていたサイトに対して動いたことに続くものです。

制作会社、広告代理店、レビュー収集の委託先に任せる場合も、安心できません。ACM の指針は、口コミを集めて載せるために雇った会社が規則を守らなければ、防ぐ措置が不十分なとき、依頼した事業者が共同で責任を負いうる、と述べています。

委託先との取り決め

口コミの収集や掲載を外部に任せるときは、契約か発注書に次の点を入れておくと、後で説明しやすくなります。

  • 取引のある顧客だけに依頼すること
  • 謝礼を渡す場合は、そのことを口コミに表示すること
  • 低評価を選んで外さないこと
  • 手順と記録を依頼者が確認できること

これは、ACM の指針の「共同責任」の考え方から導いた筆者の整理で、定型の契約書があるわけではありません。

6. 低評価を外す表示と、選び方・並べ方

自社サイトに載せる口コミを、良いものだけにしたい、という気持ちは自然です。ただ、ACM の案内は、ここに明確な線を引いています。口コミの選び方、並べ方、全体の見せ方によって、消費者に誤った印象を与えてはならない、というものです。

ACM の指針は、例として「否定的な口コミだけを削除し、肯定的なものを残す」ことを挙げています。この見せ方が問題なのは、実際の評価の分布から離れた印象を与えるからです。

外してよい口コミ、外せない口コミ

KVK の案内は、否定的な口コミを消すなら、その理由を示すこととし、口コミが偽物だと示せるときは理由の説明を要しないとしています。また、口コミを直すのは、差別的な発言を消すなど、正当な理由があるときに限ります。

場面 判断 備考
差別的・脅迫的な表現がある 外してよい 理由を方針に書いておく
取引のない人の投稿だと示せる 外してよい 偽物と示せるなら理由の説明は不要(KVK)
内容が事実と違うと示せる 外してよい 理由を示し、返信で訂正する
低評価だが事実に基づく 外さない 返信で対応する
古い口コミを期間で区切る 可 期間を書く(ACM)
星の低いものだけ非表示にする 不可 選別による誤認

この表の最後の行を避けるには、載せない基準を、評価の高低ではなく、内容の真偽や表現で決めることです。

期間と並べ方

ACM の案内は、どの口コミを見せているかを明示することも求めています。たとえば、直近1年のものだけを見せる場合は、そう書きます。並べ順について、案内は個別の定めを置いていませんが、選別や順序、全体の見せ方で誤認させてはならないとしています。

古い順、新しい順、評価の高い順のどれを標準にするかは事業者が決められますが、標準の並びを書き、評価順に切り替えられるようにすると、誤認の心配が小さくなります。これは筆者の設計上の考えです。

返信のしかた

低評価に返信することは、削除より誠実な対応と受け取られやすいはずです。Kiyoh は、事業者が口コミに公開で返信できると案内しています。返信は、責めず、事実を短く、必要なら連絡先を添えます。

お客様の声を選んで載せるとき

ACM の口コミのページは、「toon niet alleen reacties die u goed uitkomen(都合のよい反応だけを見せない)」「Laat alles zien: positief én negatief(良いものも悪いものも全て見せる)」と書いています。指針 4.1.1 も、選別、順序、全体の見せ方で誤認させてはならないとしています。

つまり、掲載する声を、評価の高さで選ぶことはできません。次の提案は筆者の整理で、ACM が認めた方法ではありません。

  • 同意を得たお客様の全件を載せる
  • 件数が多く全件が難しいときは、「直近1年」「公開日順で最新10件」など、評価の高低によらず、書ける基準で絞り、その基準を声の近くに書く
  • 載せない声があるときは、載せない理由の基準(同意がない、取引を確認できない、中傷にあたる、など)を方針に書く

評価の高低で選んでいないことを、基準として説明できる状態にするのが狙いです。

事例紹介は「選んで載せる」でよいか

事業者が書く事例紹介は、顧客の評価の一覧ではありません。そのため、良い事例を選んで載せること自体は、広告の通常の姿です。ただし、事例を「お客様の声」「評価」と呼び、全体の満足度を表すように見せると、選別による誤認にあたるおそれがあります。見出しに「導入事例」と書き、評価の平均のように扱わないのが安全です。これは筆者の整理です。

7. 謝礼つきレビューと、依頼の仕方

口コミを増やすために、割引や粗品を渡したくなることがあります。ここは、規則が最も具体的に書かれている部分です。ACM、Google、Trustpilot の三者は、扱いが少しずつ違います。

結論から言うと、法は謝礼を渡すこと自体を禁じていません。渡したことを隠すことが問題です。ただし、プラットフォームの規約は、報酬と引き換えの口コミ自体を禁じています。

法と規約の違い

立場 謝礼つきの口コミ 根拠
ACM(法の運用) 謝礼があったことを、はっきり示せば可 ACM 指針 4.1.1
KVK 「sponsored」など明示すれば可 KVK
Google 報酬と引き換えの口コミは不可。削除される 投稿ポリシー
Trustpilot 報酬と引き換えの口コミは不可 事業者向けガイドライン

自社サイトの中だけで集める声なら、法の観点では明示すれば可能です。しかし、同じ声を Google や Trustpilot に書いてもらう取引にしてはなりません。1つの施策を、場所ごとに分けて考えます。

平均点に混ぜない

ACM の指針は、謝礼を受けた口コミが入った平均点を、謝礼のない口コミだけの平均のように見せることを、誤認として禁じています。謝礼つきの声を集める場合は、通常の声と分けて表示し、点数の計算に含めるかを開示します。

依頼の時期と相手

ACM の指針は、取引の直後に口コミを頼まず、商品を受け取って試せる時間を置くことを、助言として挙げています。役務の場合は、成果物を実際に使ってもらってから頼むという意味になります。

誰に頼むかは、さらに重要です。Trustpilot は、自社に好意的な人だけを選んで招待することを禁止しています。Google も、好意的な口コミだけを選んで頼むことを禁じます。全員に同じ条件で頼むのが原則です。

してはならない依頼

  • 「星5でお願いします」と、評価の内容を指定する
  • 満足した顧客だけに依頼する(選別)
  • 低評価を付けた人に、取り下げを強く求める
  • 取り下げや修正と引き換えに割引や返金を持ちかける

ACM の指針は、低評価の人へ変更を促す連絡には慎重であるよう求め、書き換えの見返りを示して肯定的な口コミに導くことを、誤認として挙げています。Trustpilot の規約も、口コミを書く・直す・消すよう圧力をかけること、脅すことを禁じています。

ACM が動いた例

ACM の指針は、顧客に好意的な口コミを書くよう求め、その代わりに費用の半分を返すと約束していた会社に、消費者を誤認させることをやめさせた、と書いています。返金は口コミの対価で、口コミは公正に生まれたものではなかった、という判断です。

8. Google・Trustpilot・Kiyoh を自社サイトに表示する

外部のレビューを自社サイトに表示するのは、信頼を借りる方法として一般的です。ただし、ACM の指針は、他のサイトから自社に埋め込む口コミも、同じ規則の対象だとしています。外部のサービスに任せても、自社サイトに見せる以上、責任は自社にも残ります。

3つのサービスの違い

次の表は、各サービスが公開している情報から、事業者の関与に関わる点を並べたものです。Kiyoh については、同社自身の説明であり、第三者の検証ではありません。

項目 Google Trustpilot Kiyoh
報酬つきの依頼 不可。口コミは削除される 不可 同社の規約を確認する
好意的な人だけに依頼 不可 不可 招待は注文した顧客に限る(同社の説明)
事業者による削除 規約違反の口コミは Google の判断で削除 口コミは書いた人のもの。事業者は違反を報告する 事業者は否定的な口コミを削除できない(同社の説明)
圧力 取り下げと引き換えの利益提供は不可 書く・直す・消すよう圧力をかけるのは不可 同社の規約を確認する
点数の対象期間 各サービスのヘルプで確認 各サービスのヘルプで確認 直近12か月(同社の説明)

表を読むときは、自社が使うサービスの最新の規約を開いて確かめてください。Kiyoh の欄は同社自身の説明で、第三者の検証ではありません。「確認する」とした欄は、筆者が公式の文面までは確かめていない部分です。表から言えるのは、プラットフォームの規約は、法の最低線より厳しい場合があることです。

埋め込みで選んで見せる

埋め込み部品に、表示する口コミを絞る設定がある場合、その絞り込みで星の高い口コミだけを表示すると、ACM の指針の「選別による誤認」に近づきます。埋め込みの設定でも、低評価を隠さないことを決めておきます。

構造化データの制限(Google)

外部レビューを自社サイトに表示すると、検索結果に星を出したくなります。しかし Google の案内は、評価される対象が自分自身の口コミを管理している場合、LocalBusiness や Organization の構造化データを使ったページでは、星の表示の対象外になるとしています。Google ビジネスプロフィールや Facebook の口コミを、ウィジェットで自社サイトに埋め込んだ場合も同様です。

星を検索結果に出す目的で、自社の評価をマークアップするのは避けます。地域検索の土台作りは、Google ビジネスプロフィールの記事で扱っています。

外部スクリプトと GDPR

埋め込みのウィジェットは、外部のサーバーから読み込まれます。訪問者の IP アドレスなどが外部へ送られる可能性があり、フォントの外部読み込みと同じ問題が起きます。この点はGoogle Fonts の記事とGA4 の同意の記事で扱ったとおり、同意の設計や自社配信への切り替えを含めて考えます。

画像として取り込む、サービス側の「同意後に読み込む」仕組みを使う、といった選択肢があります。どれを選ぶかは、サイト全体の同意の設計に合わせます。

9. 顧客の名前と写真を載せるとき:同意・記録・撤回

お客様の声に、名前、会社名、役職、顔写真を添えると、説得力が増します。その分、顧客の個人データを公開することになります。オランダでも、GDPR が適用されます。

この章では、AP(個人情報保護庁)の案内と GDPR の条文から、載せるときの基本の型を確かめます。

個人データになるもの

名前、顔写真、役職つきの氏名のように、特定の個人を識別できる情報は、個人データです。会社名だけの掲載は、個人を識別できないことが多いですが、個人事業主の屋号が氏名そのままの場合などは、個人データになりえます。ここは個別の判断です。

次の表は、載せる情報ごとの扱いの目安です。

載せる情報 個人データか 実務の扱い
氏名と顔写真 はい 書面かメールで同意を取る
氏名と会社名と役職 はい 同意を取る
会社名のみ 多くは個人を識別しない 屋号が氏名のときは同意を取る
イニシャルと業種 識別できる場合がある 小さな市場では識別されやすい
匿名(「導入企業」) 識別できなければ該当しない 実在する声であることは別に確かめる

匿名にすると同意の問題は軽くなりますが、本物であることの確認は引き続き必要です。匿名の声は、読み手が実在を確かめられないため、開示と記録がより大切になります。

AP が示す同意の4条件

AP は、有効な同意に、次の4つが要ると案内しています。自由に与えられていること、あいまいさがないこと、情報を知らされていること、特定されていること、です。

条件 意味 お客様の声での例
自由に 断っても不利益がない 取引の条件にしない
あいまいでなく はっきりした行為で示す チェックを最初から入れない
知らされて 誰が、何を、何のために公開するか 掲載先、期間、撤回の方法を伝える
特定されて 目的ごとに同意を取る サイト掲載と、SNS・広告利用は別

最後の行は見落とされがちです。サイトに載せる同意をもらったからといって、同じ声を広告や資料に使ってよいわけではありません。使い道ごとに確認します。

同意を取るまでの手順

同意を依頼してから公開、撤回への対応までの流れを、図で示します。

依頼で掲載の内容を伝え、同意を記録し、公開し、撤回があれば速やかに削除する4つの段階。 1. 依頼 目的を伝える 2. 記録 同意を残す 3. 公開 範囲を守る 4. 撤回 速やかに削除 撤回は同意と同じくらい簡単に
図3:名前と写真を載せる流れ(出典:AP、GDPR 第7条、2026年11月3日確認)

図の最後の段階が、実務で最も後回しになります。載せる前に、撤回を受けたらどう削除するかまで決めておきます。

記録と撤回、削除

GDPR 第7条は、同意に基づく処理では、同意を得たことを示せなければならないとし、撤回は同意を与えるのと同じくらい簡単でなければならないと定めています。AP は、同意を記録するだけでは足りず、どんな情報に基づいて同意したかも示せることが必要だと案内しています。

撤回があったとき、他に根拠がなければ、第17条第1項(b)により、遅滞なく削除する義務が生じます。公開したデータは、検索エンジンのキャッシュや SNS にも残りえます。削除の際は、自分のサイトだけでなく、転載先も確かめます。

同意を取引の条件にしない

第7条第4項は、同意が自由に与えられたかを判断するとき、契約の履行が、その契約に必要でない処理への同意を条件にしていないかを最大限考慮する、としています。「値引きの代わりに顔写真を載せる」といった条件は、避けたほうが安全です。

肖像と写真

写真には、個人データの問題とは別に、肖像と著作権の問題があります。オランダ著作権法 第21条は、依頼なく作られた肖像について、肖像の主の「合理的な利益」が公開に反する限り、公開を認めません。依頼を受けて作られた肖像は、第20条が別に扱います。写真を撮影して載せる場合は、撮影の時点で、公開の範囲まで書面で合意しておくのが実務上は簡単です。

10. 問い合わせを減らさない見せ方

ルールを守ると、見た目が堅くなり、問い合わせが減るのではないか、と心配する人がいます。ここは数字で示せる根拠を、筆者は持っていません。以下は設計上の考えです。

結論を先に書きます。開示を隠すのではなく、信頼の材料として前に出すほうが、読み手の疑いを減らします。確認方法を一言で示すことは、本物であることの根拠になります。

見せ方の型

見せ方 狙い 注意
口コミ欄の見出しの下に1行の説明 確認の方法を示して疑いを減らす 長い規約を並べない
件数を正直に書く 少なくても誠実さが伝わる 少ない件数で平均点を出さない
外部レビューへのリンクを併記 第三者の場で確かめられる 都合のよいものだけを選ばない
導入事例と顧客の声を分ける 何を見ているかが分かる 事例を評価の平均に見せない
声の近くに問い合わせの入口 読んだ後の次の一歩を示す 声の信憑性を損なう売り込みにしない
低評価への返信を残す 対応の姿勢が伝わる 感情的な反論をしない

表から分かるのは、規則に沿った見せ方が、そのまま読み手への配慮にもなる、という点です。

件数が少ないとき

始めたばかりで声が少ない事業者は、無理に数を作ろうとしがちです。実際の顧客の声が2〜3件なら、2〜3件のまま載せます。ACM の例が示すとおり、数を作るための偽の声は、取り返しのつかない形で信頼を失います。

声が足りないあいだは、口コミ以外で信頼を作れます。担当者の紹介、手順の説明、制作の進め方、料金の考え方、よくある質問の公開などです。信頼の作り方は、B2B の問い合わせ導線の記事でも扱っています。

声と問い合わせの距離

お客様の声は、サービスの説明や料金の考え方、問い合わせフォームの近くに置くと、読み手が決める場面で目に入ります。ページの上部に飾りとして置くより、疑問が出る場所に合わせて置く、という考え方です。

日本のステマ規制との違い

日本では、2023年10月1日から、広告であることが一般消費者に分からない表示(いわゆるステルスマーケティング)が規制の対象になりました。消費者庁は、SNS 投稿やレビュー投稿もインターネット上の表示として対象に挙げています。

日本の規制の中心は、広告であることを隠さないことです。EU・オランダの規則は、それに加え、本物かどうかの確認方法を開示することを求める点が特徴です。日本のサイトを持つ事業者が、同じ文面をオランダ向けにそのまま使うと、確認方法の開示が足りなくなる場合があります。

11. 状況別に考える

実在の顧客や架空の人物を立てずに、状況ごとの判断を表にしました。自分の状況に近い行を見て、どこから手を付けるかの目安にしてください。これは一般的な整理で、個別の助言ではありません。

状況 まず確かめること 載せ方の目安
開業したばかりで顧客が数件 各顧客に載せてよいか同意をもらう 件数を正直に書き、事例紹介を中心にする
取引先が事業者だけ 実在と同意。事業者向けでも誤認は不可 民法194条を意識して事実を確かめる
ウェブショップで Kiyoh を使う 埋め込みの設定と、規約の確認 低評価を隠す絞り込みを使わない
制作会社に口コミ収集を任せている 委託先の手順と記録 契約に取り決めを入れる
日本の事業者がオランダ向けサイトを作る 日本の文面をそのまま使わない 確認方法の開示を足し、同意を取り直す
顔写真つきの声を載せたい 同意の範囲と撤回の窓口 掲載先ごとに同意を分ける
過去の口コミを大量に載せたい 出どころと取引の有無 照合できないものは載せない

この表の「日本の事業者」の行は、日本語サイトの文面を英語やオランダ語に直して使うときに起こりやすい落とし穴です。言語を変えるだけでなく、確認方法の開示と、同意の取り直しが要ります。

12. つまずきやすいところと、やってはいけないこと

規則を知っていても、日々の運用で外れてしまう場面があります。ここでは、よくある誤解と、避けたい行為を表にまとめます。

やってはいけないこと 理由
「お客様の声」を、実在しない人物で作る 偽の口コミ。どんな場合でも不可(6:193g)
星の低いものだけを非表示にする 選別による誤認(ACM 指針)
割引と引き換えに口コミを頼み、そのことを書かない 謝礼の隠蔽(ACM)
満足した顧客だけに依頼する 選別した依頼(Google、Trustpilot)
低評価の人に取り下げを迫る 圧力。規約違反にもなる
同意なしに顔写真や氏名を載せる GDPR と肖像の問題
委託先に任せきりにする 共同の責任を負いうる(ACM)
外部の星を、自社の構造化データで検索結果に出す Google が対象外とする

この表の中で、事業者が気づきにくいのは、「委託先に任せきり」と「外部の星の構造化データ」の2点です。どちらも、自分が書いたものではない部分で問題が起きます。

誤解しやすい点

  • 「外部サービスの埋め込みだから、自社の責任ではない」ではありません。ACM は埋め込みも対象です。
  • 「お客様の声は広告だから、自由に編集してよい」ではありません。顧客の言葉を事実と違う形に変えれば、誤認になります。
  • 「B2B だから消費者向けの規則は無関係」ではありません。民法194条があり、誤認は B2B でも不可です。

13. 明日からの手順とチェックリスト

最後に、実行の順番を示します。規則が多く見えますが、手を付ける順番は決まっています。

手順

  1. 今サイトにある、口コミ・お客様の声・星・事例を、全部書き出す
  2. それぞれを、実際の取引と照合し、照合できないものは外す
  3. 載せ続ける声について、同意の有無を確かめ、ないものは同意を取り直す
  4. 謝礼を渡した声があるか調べ、あれば表示と点数の扱いを決める
  5. 口コミ欄の近くに、確認方法を短く書く
  6. 低評価の扱い(外す基準と返信)を、文書にして残す
  7. 外部レビューの埋め込みの設定を見直し、絞り込みで低評価を隠していないか確かめる
  8. 撤回の窓口(メールアドレス)と、削除の手順を決める

チェックリスト

  • 載せている声は、すべて実際の顧客のものである
  • 取引の記録と照合した記録がある
  • 確認の方法を、口コミを見せる場所で開示している
  • 謝礼の有無を書いている
  • 低評価を、評価の高低を理由に外していない
  • 点数の計算方法と対象期間を書いている
  • 氏名や写真は、同意の記録がある
  • 撤回の窓口があり、削除の手順がある
  • 外部レビューの埋め込みは、都合のよいものだけに絞っていない
  • 委託先との取り決めがある

14. まとめ

  • 口コミやお客様の声は、本物か、どう確かめたか、開示したか、全部見せているかの4つの問いで点検する
  • 偽の口コミは、EU の指令でもオランダ民法でも、どんな場合でも禁止。売る側も ACM の調査対象になっている
  • 確認の措置は、案件の記録との照合など、小さな会社でもできる形で足りる。ただし、取った措置を口コミの場所で開示する
  • 低評価は、評価の高低で外さない。外すなら理由を説明できる基準にする
  • 謝礼は隠さない。Google や Trustpilot の口コミは、報酬と引き換えにしない
  • 顧客の名前と写真は、自由な同意、記録、撤回と削除の窓口をそろえて載せる
  • 外部レビューの埋め込みも、同じ規則の対象になる

サイトの新規制作やリニューアルで、お客様の声の欄、確認方法の開示、同意の取り方までを一緒に設計したい方は、DevNJ の進め方をサービスのページにまとめています。自社の場合にどこまで必要か迷う点があれば、お問い合わせから状況を教えてください。

参考にした情報源

EU・オランダの法令

ACM・KVK・AP

Google・Trustpilot・Kiyoh

日本の制度

いずれも2026年11月3日に確認したものです。法令、ACM の指針、各サービスの規約は変わります。載せる前に、最新の内容を確かめてください。Kiyoh の項目は同社自身の説明に基づきます。EUR-Lex には接続できず、指令の条文は転載(lawplayer.com)で確認しました。民法の条文は wetten.overheid.nl の本文を開いて確かめています。

関連する記事:Google ビジネスプロフィールの整え方、Google Fonts の埋め込みと GDPR、B2B の問い合わせ導線

よくある質問

自社サイトに、お客様から届いたお礼のメールを「お客様の声」として載せてよいですか?
本人の同意を取り、本物の顧客の声であることを確かめたうえで、載せられます。ACM は、お客様の声やインフルエンサーの評価にも、口コミと同じ規則が及ぶとし、都合のよい反応だけを見せないよう求めています。全件か、評価の高低によらない基準で載せ、その基準を書いてください。同意の記録も残します。
低評価の口コミを自社サイトから外してもよいですか?
良いものだけ残して悪いものを外す見せ方は、ACM が誤解を招く例として挙げています。KVK は、否定的な口コミを消すなら理由を示すよう案内しています。中傷や事実と違う内容、偽物と示せるものは外せますが、理由を説明できる状態にしておくのが前提です。
Google や Trustpilot の口コミの星を、自社サイトに埋め込んでよいですか?
埋め込めます。ただし ACM は、他のサイトから埋め込んだ口コミにも同じ規則が及ぶとしています。確認の方法を示し、都合のよい口コミだけに絞らないことが要ります。また Google は、自社が内容を管理できる口コミの星を、自社のページの構造化データで出すことを認めていません。
口コミを書いてくれた人に、割引や粗品を渡してもよいですか?
渡す場合は、謝礼があったことを口コミのそばにはっきり書く必要があります。Google と Trustpilot は、報酬と引き換えの口コミ自体を禁じています。ACM は、謝礼を受けた口コミを混ぜた平均点を、謝礼なしの平均のように見せることも不可としています。
お客様の名前や顔写真を載せるには、どんな同意が要りますか?
自由に選べる状態で、内容を知らされ、載せる目的ごとに、はっきりした行為で同意してもらう形が基本です。後から撤回でき、撤回が同意と同じくらい簡単であることが必要で、同意した事実を示せる記録も要ります。取引の条件に同意を組み込まないでください。
日本の事業者でも、オランダ向けのサイトではこの規則を気にする必要がありますか?
オランダの消費者に向けて商品やサービスを売るなら、関係します。ただし、どの国の法がどの範囲で及ぶかは事業の形で変わるため、この記事では断定しません。迷う場合は、弁護士や ACM の案内で個別に確かめてください。

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