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オランダでネットショップを始める仕組みの選び方|Shopify・WooCommerce・Lightspeed を iDEAL/Wero・BTW・送料で比べる

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オランダでネットショップを始める仕組みの選び方|Shopify・WooCommerce・Lightspeed を iDEAL/Wero・BTW・送料で比べる

オランダでネットショップを始めると決めたとき、最初にぶつかるのが「どの仕組みで作るか」です。Shopify、WooCommerce、Lightspeed のどれも検索すれば出てきて、どれも「オランダ対応」をうたっています。ところが、日本の感覚で機能表を比べても、肝心なところが見えません。

オランダの購入者は、iDEAL(銀行振込型のオンライン決済)で払い、BTW(付加価値税)込みの価格を見て、PostNL か DHL で受け取ることを前提に画面を見ます。この前提を満たすかどうかは、機能の数ではなく、決済・税・配送・言語・法律の5つの条件で決まります。しかも2026年は、iDEAL が Wero に切り替わる最中で、撤回権の取消しボタンも始まった年です。

この記事では、この5つの条件で3つの仕組みを比べ、最後に「どれを選ぶか」の判断の流れをまとめます。料金は各社の公式ページを2026年10月31日に確認した値で、確認できなかった項目は書いていません。DevNJ の制作料金は載せていません。制作や運用の外注を考えている方が、見積もりを比べる前に自分で判断できる状態になることを目的にしています。

この記事が主に根拠にした情報(2026年10月31日に確認)

  • Shopify・Lightspeed の公式料金ページ、WooCommerce の公式ページとプラグイン配布ページ
  • iDEAL | Wero の公式ページ、European Payments Initiative(EPI)の発表、Stripe の移行案内
  • オランダ消費者・市場庁(ACM)の撤回ボタンの案内と販売者向けチェックリスト
  • オランダ政府の事業者向けポータル business.gov.nl の遠隔販売と価格表示のルール、商工会議所(KVK)の EU 向け付加価値税の案内
この記事で分かること 答えの要点
外せない条件 決済・BTW 込み価格・配送・オランダ語・撤回権の5つ
iDEAL と Wero 2027年12月31日までの移行完了が目標。切り替えは決済代行会社ごと
料金の見方 月額だけでなく、決済手数料・アプリ・保守を足して比べる
配送 PostNL と DHL はどの仕組みでも連携できるが、手段が違う
判断の流れ 登記 → 運用体制 → 商品の数と複雑さ → 決済と配送、の順

1. オランダのネットショップで外せない5つの条件

条件は機能表ではなく、買う人と法律から決まる

ネットショップの仕組みを選ぶとき、機能の一覧表から入ると失敗しやすくなります。オランダでは、買う人の習慣と法律が先にあり、仕組みはそれを満たす手段にすぎないからです。

条件は大きく5つに分かれます。1つ目は決済で、オランダの購入者が最も使い慣れた iDEAL に対応していること。2つ目は価格表示で、消費者向けは BTW 込みの総額を出すこと。3つ目は配送で、PostNL や DHL の受け取り方法(自宅配送、受取拠点)を選べること。4つ目は言語と取引条件で、オランダ語で分かりやすく示すこと。5つ目は法律で、14日間の撤回権とその取消しボタンに対応することです。

条件 求められること 根拠
決済 iDEAL に対応(Wero へ移行中) iDEAL | Wero の公式ページ
価格 ユーロ、BTW 込み、追加費用も合計に含める business.gov.nl
配送 配達時期を購入前に明示、30日以内に届ける ACM/business.gov.nl
言語 情報は明確で分かりやすく business.gov.nl
撤回 受取後14日、取消しボタン ACM

上の表は、5つの条件が仕組みの違いではなく、売り手側の義務や慣習であることを示しています。つまり、どの仕組みを選んでも、これらは自分で設定して守る必要があります。仕組みが肩代わりしてくれる範囲はそれぞれ違い、それがこの記事の比較軸です。

2026年に動いた2つの点

2026年は、条件の中身が2か所で動きました。1つは撤回の取消しボタンです。ACM は2026年6月11日付の案内で、オンラインの購入に対して、分かりやすく見つけやすい取消し機能を2026年6月19日から用意するよう事業者に求めました。business.gov.nl のページでは、同じ要件の開始日が6月25日と書かれていて、日付が食い違います。どちらにせよ2026年6月から始まっているので、本稿では「2026年6月から」と書きます。

もう1つはiDEAL | Wero の併記と移行です。Stripe の案内では、2026年1月29日から3月31日までがチェックアウトに「iDEAL | Wero」の表示を出す併記期間でした。次の節で、時期と各仕組みの状況を整理します。

2. iDEAL から Wero へ:移行の時期と、仕組みごとの対応

時期を図にする

iDEAL は、オランダの銀行が共同で運営してきた決済方法です。これが、欧州の決済ブランド Wero に段階的に移っていきます。公式発表や決済会社の案内から、判明している日付を並べます。

2026年1月29日から3月31日まで併記期間、2026年第4四半期にWeroの受け付けが始まり、2027年12月31日が移行完了の目標、2028年1月1日に購入者保護を全面導入する目標。 2026.1 iDEAL | Wero 併記 1月29日〜3月31日 2026.Q4 Wero の受け付け開始 iDEAL と並べて提供 2027.12 移行完了が目標 12月31日(目標) 2028.1 購入者保護を全面導入 1月1日(目標)
図1:iDEAL から Wero への移行の時期(出典:Stripe、EPI、2026年10月31日確認。点線は目標で、確定した日付ではありません)

実線の丸は始まったこと、点線の丸は目標です。EPI の2026年7月の発表では、2026年10月にオランダの発行銀行がすべて Wero に接続される予定で、その後 iDEAL の決済が段階的に Wero の基盤へ移ります。参加する関係者は、2027年12月31日までの移行完了を共通の目標にしています。Wero の手数料水準は、2028年12月31日まで現在の iDEAL | Wero と大きくは変えない方針です。

ショップ側の動きは決済代行会社ごとに違う

公式ページを見る限り、実際の切り替え日はショップが契約する決済代行会社(PSP)ごとに違います。Stripe は、Wero を有効にして iDEAL を無効にする操作を、2026年第4四半期以降に管理画面から行う形で案内し、移行は2027年に進めることを勧めています。サブスクリプションは別の仕組みになり、2027年に対応が始まる予定とされています。

つまり、ショップ運営者が決めることは「いつ Wero に切り替えるか」ではなく、「契約中の決済代行会社がいつ Wero を使えるようにするかを確認し、チェックアウトの表示を更新する」ことです。どの仕組みで作っても、この確認は必要です。

3つの仕組みの現状

確認できた範囲で、3つの仕組みの現状を表にします。

仕組み 対応の形 確認できたこと
Shopify Shopify Payments で対応 管理画面は「iDEAL | Wero」表記。有効化に KVK 番号が必要
WooCommerce WooPayments と Mollie などで対応 Mollie のプラグインは2026年7月20日の版で Wero を追加
Lightspeed 決済代行会社の連携で対応 公式ヘルプで Wero の記述は確認できず

表から言えるのは、Shopify と WooCommerce では Wero への表記・対応が公式の資料で確認できる一方、Lightspeed は公式ヘルプの範囲では確認できなかったということです。Lightspeed を検討するなら、契約前に担当者へ Wero の対応予定を書面で確認してください。

3. 3つの仕組みの性格を知る

「借りる」「自分で持つ」「国内向けに連携する」

3つは、同じ「ネットショップの仕組み」と言っても、成り立ちが違います。

仕組み 成り立ち 向く人
Shopify 月額で使うクラウド型。サーバー管理は不要 早く始めたい、運用の手間を減らしたい
WooCommerce WordPress に入れるオープンソース。自分でサーバーを用意 作り込みたい、データを自分で持ちたい
Lightspeed 月額で使うクラウド型。オランダ向けの連携が厚い 国内の連携を使いたい、実店舗もある

Shopify:最も早く立ち上がる

Shopify は、サーバーの用意もソフトの更新も不要で、契約すれば管理画面からすぐ商品を並べられます。決済は Shopify Payments を使えば、iDEAL | Wero やカードをまとめて有効にできます。Shopify Payments で iDEAL | Wero を使うには、ユーロのストア、オランダを有効な販売先にすること、本人確認、そしてKVK 番号が必要です。個人事業主でも KVK 番号は求められます。iDEAL | Wero は、定期購入や予約注文には使えません。

WooCommerce:自由度と責任がセットになる

WooCommerce は WordPress 用のオープンソースの仕組みで、ソフト本体は無料です。公式ページでは、700万を超えるサイトに入っていることが示されています。一方で、サーバー、更新、セキュリティ、バックアップは自分(または委託先)の責任です。WordPress と PHP の対応バージョンも決まっていて、更新を怠ると動かなくなります。自由に作り込める代わりに、運用の担当者を決めておく必要があります。

Lightspeed:オランダの現場向けの連携が厚い

Lightspeed は月額制のクラウド型で、料金プランごとに商品の数、ユーザー数、言語数が決まっています。PostNL とは標準の連携があり、Mollie や MultiSafepay といったオランダの決済代行会社との連携手順が公式ヘルプにあります。実店舗のレジと組み合わせて使う小売店に選ばれる理由は、この連携の厚さにあります。

4. 料金を確認日つきで並べる

月額プランの比較

料金は変わるため、必ず公式ページで再確認してください。以下は2026年10月31日に確認した、ページ上の表示です。Shopify の表示がBTW 込みか別かは、確認したページからは読み取れませんでした。Lightspeed も、BTW の扱いと月払い・年払いの別が読み取れませんでした。そのため、同じ条件で並べた比較ではなく、表示をそのまま並べたものとして見てください。

月払いの表示価格は、Shopify Basic が28ユーロ、Lightspeed Essential が68ユーロ、Shopify Grow が78ユーロ、Lightspeed Advanced が120ユーロ、Lightspeed Professional が259ユーロ、Shopify Advanced が384ユーロ。 Shopify Basic €28 Lightspeed Ess. €68 Shopify Grow €78 Lightspeed Adv. €120 Lightspeed Pro €259 Shopify Adv. €384
図2:月払いの表示価格(€/月。出典:Shopify、Lightspeed、2026年10月31日確認。BTW の扱いはページ上で確認できず、Lightspeed は月払いか年払いかも読み取れませんでした)

図からは、同じ「中位のプラン」でも、Shopify Grow と Lightspeed Advanced では価格の差が大きいことが分かります。ただし両社でプランに含まれる機能の単位が違うので、価格だけの比較は意味を持ちません。次の表で、プランごとの条件を並べます。

プラン 月払い(€/月) 年払い(€/月) 主な条件
Shopify Basic 28 21 外部決済の手数料 2%
Shopify Grow 78 59 外部決済の手数料 1%
Shopify Advanced 384 289 外部決済の手数料 0.6%
Lightspeed Essential 68 表示なし 商品バリエーション250、ユーザー1、言語1
Lightspeed Advanced 120 表示なし バリエーション5,000、ユーザー3、言語3
Lightspeed Professional 259 表示なし バリエーション15,000、ユーザー無制限、言語7

Shopify には上のほかに Plus(月額2,100ユーロから)があります。Lightspeed の Enterprise は個別見積もりです。WooCommerce はソフト本体が無料で、月額のプラン表はありません。

決済手数料は別に見る

月額と同じくらい効くのが、決済の手数料です。Shopify Payments の iDEAL | Wero は、Basic から Advanced まで1件あたり0.29ユーロ、カードは Basic で1.9%に0.25ユーロです。WooPayments は、iDEAL | Wero が1件0.29ユーロ、カードが1.50%に0.25ユーロで、WooPayments の手数料には21%の BTW がかかると案内されています(BTW 番号を提示すれば免除される場合があります)。

決済 Shopify Payments(Basic) WooPayments
iDEAL | Wero(1件) €0.29 €0.29
カード 1.9% + €0.25 1.50% + €0.25
他社の決済を使う場合の上乗せ 2%(Basic) 本体にはなし

Lightspeed の公式料金ページでは、取引手数料の記載を確認できませんでした。決済手数料は、選ぶ決済代行会社の契約で決まります。

見えにくい費用を書き出す

月額と手数料のほかに、次の費用が積み上がります。確認した資料には金額がないため、金額は書きません。ここは見積もりの段階で項目を挙げてもらうのが確実です。

  • WooCommerce のサーバー:選ぶ会社と性能で変わり、更新と保守の人手も必要
  • 有料の拡張・アプリ:配送ラベル、会計連携、翻訳など、機能を足すたびに月額や年額がかかることがある
  • デザインと初期設定:自分で行うか、外注するか
  • 運用の人手:商品登録、注文対応、更新作業の時間

月額が安い仕組みでも、アプリと人手で総額が逆転することがあります。比較は1年間の総額で行ってください。

5. 決済:iDEAL | Wero を中心に組み立てる

決済の構成を決める

決済は、「誰に払ってもらうか」ではなく「どの決済代行会社を契約するか」の選択です。Shopify は Shopify Payments を使う形が中心で、WooCommerce は WooPayments や Mollie など複数から選べます。Lightspeed は Mollie や MultiSafepay と連携します。

仕組み 主な選択肢 注意点
Shopify Shopify Payments、外部の決済 外部を使うと手数料が上乗せ
WooCommerce WooPayments、Mollie のプラグイン プラグインを最新に保つ
Lightspeed Mollie、MultiSafepay 契約外の方法を有効にすると決済が失敗する

つまずきやすい点

Shopify の公式ヘルプによると、iDEAL | Wero は、定期購入や予約注文に使えません。また、返金しても決済の処理手数料は戻りません。iDEAL | Wero の支払いは、元の決済から180日以内なら返金でき、購入者はチャージバックを申し立てられません。

コミュニティの投稿(公式ではない利用者の声)には、2026年に iDEAL | Wero のスイッチが有効にできず、数週間待っている例がありました。確実とは言えませんが、立ち上げの日程に余裕を持ち、予備の決済手段を用意する理由になります。

6. BTW 込みの価格表示と越境販売

消費者向けは BTW 込みの総額

オランダ政府の事業者向けポータルは、消費者に向けた価格をユーロでBTW 込みと示すこと、送料やサービス料などの追加費用も合計に含めることを案内しています。金額が固定できない送料は、購入前に説明します。オランダの BTW の税率は、21%、9%、0%の3つです。

場面 価格の出し方
消費者(B2C) BTW 込みの総額
事業者(B2B)で KVK 番号がある BTW 抜きで示してよい
追加費用 送料・サービス料は合計に含める

仕組みごとの違いは、「税込み表示を初期状態でどう扱うか」と「商品ごとの税率をどこで設定するか」にあります。Shopify の公式ヘルプには、価格に税を含める設定のページがあります。いずれも自分で正しい税率を設定する責任は売り手にあり、どの仕組みでも税理士の確認が必要です。

EU 内の他の国に売るとき

EU 内の消費者に売る場合、売上の合計が年1万ユーロ以内なら、オランダの BTW で請求できます。1万ユーロを超えると、購入者の国の税率を適用します。申告は、国ごとに行う方法か、OSS(ワンストップショップ)のどちらかです。両方は使えません。他国へ売る可能性があるなら、仕組みが国別の税率に対応しているかを、選ぶ前に確認しておきます。

7. 配送:PostNL・DHL とどうつなぐか

仕組みごとの連携手段

オランダの購入者は、自宅配送のほかに、受取拠点(PostNL の拠点や DHL ServicePoint)を選べることを期待します。この選択肢をチェックアウトに出せるかが、仕組みを選ぶ条件になります。

仕組み PostNL DHL
Shopify 公式アプリ、EasyLabels など DHL eCommerce のアプリ、Sendcloud など
WooCommerce 公式プラグイン「PostNL for WooCommerce」 公式プラグイン「DHL eCommerce (Benelux)」
Lightspeed 標準の連携(PostNL の事業者口座が必要) 標準にはなく、DeliveryMatch・Sendcloud 経由

WooCommerce には、PostNL と DHL の公式プラグインが配布されています。DHL の公式プラグインは、オランダ・ベルギー・ルクセンブルクから発送するストア向けです。Shopify は、ヘルプで PostNL(対象のストア)と DHL eCommerce の国内便を、管理画面からラベルを買える運送会社として案内しています。

Lightspeed は PostNL とは標準で連携し、チェックアウトに PostNL の料金を出せますが、PostNL のラベルの一括印刷はできません。DHL は標準には含まれず、Sendcloud や DeliveryMatch、MyParcel のアプリ経由になります。ここが、Lightspeed を選ぶときに最初に確認する点です。

発送元で条件が変わる

配送の連携は、発送する場所で条件が変わります。DHL eCommerce の公式プラグインがオランダ・ベルギー・ルクセンブルク発送向けであるように、日本から直接発送するショップは、連携の対象外になる場合があります。国内の物流倉庫を使うか、日本から送るかを先に決め、連携の対象かを運送会社の資料で確認してください。

8. オランダ語対応・取引条件・撤回権

言語は「法律」より「信頼」で決まる

business.gov.nl の遠隔販売のページには、ショップの言語を指定する規定は見当たりませんでした。求められているのは、情報を明確で正確、分かりやすく示すことです。ただし、オランダの消費者にとっては、価格・配送・返品の説明がオランダ語でないと、安心して決済に進めません。実務上は、オランダ語を標準にして、英語を併記するのが堅実です。

仕組み 多言語の考え方
Shopify 公開した言語ごとにチェックアウトと通知メールが切り替わる。オランダ語が選べるかは管理画面で確認
WooCommerce WordPress の言語機能と翻訳プラグインで対応
Lightspeed プランごとに言語数の上限(1/3/7)

Lightspeed は言語の数が料金プランで決まっているので、オランダ語と英語を出すなら、言語が1つの Essential では足りません。

取引条件に入れるもの

ショップに載せる情報として、ACM のチェックリストは、会社名・住所・電話番号・メールアドレス・KVK 番号を見つけやすい場所に出すこと、配達時期を購入前に示すこと、返品の送り先と返品費用の負担者を示すことを求めています。購入後には、注文の確認と、主な商品情報・事業者情報の再送が必要です。商品は、30日以内か約束した期間内に届けます。

撤回権と取消しボタン

消費者は、商品を受け取ってから少なくとも14日間は、理由なく契約を取り消せます。返金は、取消しの連絡を受けてから14日以内です。取消しボタンの要件は、次のとおりです(ACM の案内、2026年6月11日付)。

要件 内容
分かりやすさ 見つけやすく、目的がすぐ分かる表示(例:「購入を取り消す」)
表示期間 14日間の撤回期間の間、使えること
手続き 必要な情報だけで取り消せる。アカウント作成は必須にできない
確認 取消し後、すぐに確認が届く

要件を満たさないと、撤回期間が自動的に1年に延びることがあり、ACM が罰金を科す可能性もあります。取消しボタンを標準機能として用意しているかどうかは、今回確認した公式資料の範囲では読み取れませんでした。ページの追加、フォームの設置、アプリの導入が必要になる可能性があるので、選ぶ前に各社へ確認してください。事業者向けの取り引き(B2B)には、法定の撤回権はありません。

9. どれを選ぶか:判断の流れ

4つの問いで絞る

仕組みを比べ終えたら、次の4つの問いに順に答えると、選択肢が絞れます。

1登記と税の準備、2運用できる人、3商品の数と複雑さ、4決済と配送の連携の順に確かめ、仕組みを決める。 1. 登記 KVK・BTW 2. 運用 担当者 3. 商品 数と複雑さ 4. 連携 決済・配送
図3:仕組みを選ぶ4つの問い(筆者の整理。各問いの根拠は本文の表を参照)

1. 登記と税の準備はできているか。 KVK 番号がなければ、Shopify Payments の iDEAL | Wero は有効になりません。日本の事業者がオランダの購入者に売る場合の登記や税の形は、事業の形で変わります(ここは推測を含むため、税理士や KVK に確認してください)。先に決めておくと、決済の有効化で止まりません。

2. 日々の運用を担える人はいるか。 更新、セキュリティ、バックアップを担える人がいなければ、WooCommerce は負担になります。クラウド型の Shopify か Lightspeed が現実的です。

3. 商品の数と複雑さはどうか。 Lightspeed はプランごとに商品バリエーションの上限があります。商品が多い場合、上位のプランが必要になり、月額が大きく変わります。

4. 決済と配送は、希望する形で連携できるか。 DHL を使いたい Lightspeed、日本から発送するショップなど、連携の対象になるかを確かめます。

立場ごとの答えの目安(以下は架空の例です)

次の3つの例は、実在の事業者ではない仮定です。判断の流れの使い方を示すためのものです。

立場(架空) 重視すること 候補の目安
オランダで数十点を売る個人事業主。運用は本人だけ 早く始める、手間を減らす Shopify
商品を細かく作り込み、自社で管理できる制作担当がいる会社 自由度、データの所有 WooCommerce
実店舗があり、オランダの決済・配送の連携を活かしたい小売店 店舗との連携、PostNL Lightspeed

これは目安で、決定ではありません。3つとも、5つの条件は満たせます。差が出るのは、運用の体制と、連携を整える作業量です。

10. 失敗しやすい点

つまずき 理由 対策
月額だけで比べる 手数料・アプリ・保守で総額が逆転する 1年間の総額で比べる
iDEAL の表記を更新しない 併記の表示が求められた 決済代行会社の案内で確認
BTW 抜きの価格を出す 消費者向けは税込みが必要 表示設定を確認
取消しボタンがない 撤回期間が1年に延びることがある ページと確認メールを用意
発送元と連携の不一致 連携の対象外がある 運送会社の資料で確認

どの項目も、公開前に一度、自分でテスト注文をして確かめるのが最も確実です。購入者の画面では、スマートフォンで見たときの価格の見え方、受取拠点の選択、決済画面の iDEAL | Wero の表示、注文確認メールのオランダ語の文面まで、実際に操作して確認します。管理画面の設定だけを見ていると、購入者に見える画面とずれていることに気づけません。確認した結果は、日付つきで記録に残しておくと、あとで制度や連携が変わったときの見直しが楽になります。決済、BTW 込みの合計、配送の選択、取消しの手順を順に試してください。

11. 相談前に整理しておくこと

外注先や制作会社に相談する前に、次の項目を書き出すと、見積もりが早く正確になります。

  1. 扱う商品の数と、バリエーション(サイズや色)の数
  2. 発送元と、使いたい運送会社
  3. KVK と BTW の登録状況
  4. 日々の更新を誰が行うか
  5. 売る国(オランダのみか、EU 全体か)
  6. 実店舗やほかの販売先との連携
  7. 公開したい時期
  8. 初期の予算と、毎月かけられる運用費

この8項目が埋まれば、どの仕組みが合うかを、具体的な数字で話せます。

12. 立ち上げの進め方:4つの段階

仕組みが決まったら、立ち上げは次の順で進めると手戻りが少なくなります。期間は商品の数と体制で大きく変わるため、日数は書きません。

段階 やること 確かめること
準備 KVK・BTW の登録確認、決済代行会社の契約、運送会社の契約 iDEAL | Wero の有効化に必要な書類
構築 商品登録、税率、送料、取引条件、撤回の案内 税込み表示と送料の合計
試験 テスト注文、返金、取消しの操作、メールの文面 決済から取消しまで通して動くか
公開後 注文の対応、配送の確認、Wero 切り替えの確認 決済代行会社からの案内

公開後の運用で決めておくこと

公開してからの作業は、見落とされがちです。決済代行会社から Wero への切り替えの案内が届いたとき、誰が受け取って設定を変えるのか。PostNL や DHL の仕様が変わったとき、誰が連携を更新するのか。BTW の税率や、撤回の要件が変わったとき、誰が気づくのか。この3つの担当を、公開前に決めておいてください。

クラウド型(Shopify、Lightspeed)は、システムの更新を提供会社が行うため、売り手側の作業は設定の見直しが中心です。WooCommerce は、本体、テーマ、プラグインの更新も売り手側の仕事になります。更新を怠ると、決済や配送の連携が止まる原因になります。運用の担当を決められないなら、仕組みの選択より前に、そこを解決するのが先です。

13. まとめ

  • オランダで売るための条件は、決済・BTW 込み価格・配送・オランダ語・撤回権の5つ
  • iDEAL は Wero へ移行中。目標は2027年12月31日で、切り替えは決済代行会社ごと
  • 料金は月額だけでなく、手数料・アプリ・保守を足した年間の総額で比べる
  • 配送は WooCommerce が公式プラグインで最も直接的。Lightspeed は DHL を別の手段で補う
  • 撤回の取消しボタンは、仕組みの標準機能に頼らず、公開前に動作を自分で確かめる
  • 選ぶ前に、登記、運用体制、商品の数、連携の4つを確かめる

ネットショップの仕組み選びや、オランダ向けの設定、運用の外注を考えている方は、サービスのご案内で DevNJ の進め方を確認できます。条件の整理から相談したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。

参考にした情報源

仕組みと料金

iDEAL と Wero

配送

法律と税

いずれも2026年10月31日に確認したものです。料金、Wero の日程、法律の要件は変わります。契約や公開の前に、各公式ページで最新の内容を確認してください。税や法律の判断は、税理士や弁護士にご相談ください。

よくある質問

オランダでネットショップを始めるなら Shopify と WooCommerce のどちらがよいですか?
運用の手間を減らして早く始めたいなら Shopify、デザインや機能を自由に作り込み、サーバーや更新も自分で(または委託先が)管理できるなら WooCommerce が合います。どちらも iDEAL | Wero と PostNL・DHL に対応する道があるので、人手と予算の構成で決めるのが現実的です。
iDEAL は Wero に置き換わるのですか。ショップ側は何をすればよいですか?
関係者は2027年12月31日までの移行完了を目標にしています。2026年は iDEAL | Wero の併記表示が先に進み、第4四半期から Wero の受け付けが始まりました。実際の切り替えは決済代行会社ごとに時期が違うため、契約中の決済代行会社に日程を確認し、チェックアウトの表示と設定を更新します。
オランダの消費者向け価格は BTW(付加価値税)込みで表示しなければなりませんか?
はい。オランダ政府の事業者向けポータルは、消費者向けの価格はユーロで BTW 込みとし、送料やサービス料などの追加費用も合計に含めるよう案内しています。BTW の税率は21%・9%・0%の3つで、商品ごとに正しい税率を設定する必要があります。
オンラインで買った商品の撤回権(クーリングオフ)はどうなっていますか?
消費者は商品を受け取ってから少なくとも14日間は、理由なく契約を取り消せます。2026年6月からは、分かりやすい取消しボタンの設置も求められています。ボタンの有無は ACM が監督し、違反すると撤回期間が1年に延びることがあります。
ショップの画面と取引条件はオランダ語にしなければなりませんか?
事業者向けポータルの販売ルールのページに、言語を指定する規定は見当たりませんでした。ただし情報は明確で分かりやすく示すことが求められ、オランダの消費者に売るなら、価格・配送・返品・撤回の説明をオランダ語で出すのが実務上の標準です。
日本の事業者がオランダのショップを始めるとき、先に準備するものは何ですか?
KVK(商工会議所)への登録番号と BTW 番号が要ります。Shopify Payments で iDEAL | Wero を有効にするにも、KVK 番号が必要と案内されています。会社名・住所・連絡先・KVK 番号をサイトに出す義務もあるため、仕組みを選ぶ前に登記の状況を整理しておきます。

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